広島が育成出身の2年目大盛穂外野手のヘッドスライディングで、今季11度目の延長戦で初めて勝った。延長10回2死二、三塁でヤクルト石山の浮いたフォークをたたき、二遊間にゴロを転がし、頭から一塁へ飛び込んだ。「絶対にセーフになりたい気持ちで、気がついたらしていました」。武器である俊足と、今季支配下にはい上がった気迫が決勝打を生んだ。

5打席目まで無安打、3三振。特に同点に追いついた8回は暴投で1死一、三塁の好機で、ボールとなる低めのフォークに空振り三振だった。バットに当てて併殺崩れでも得点できる状況で冷静に判断できなかった。「打席に入る前から高めを待っておけと。今日1日、低めの球を振らされていた」。その反省を生かし、最終打席は4球目の浮いたフォークに食らいついた。佐々岡監督も「(大盛)らしい取り方だった。それまでは3三振。迷いがある中で最後は食らいついてくれた」と泥臭い一打をたたえた。