西武育成1位の赤上優人投手(21=東北公益文科大)が22日、山形・酒田市内のホテルで入団交渉に臨み、支度金350万円、年俸400万円(金額は推定)で基本合意した。契約書にサインし「緊張で手が震えた。プロ野球選手になる実感を強く感じた」と表情は自然と引き締まった。

球界のレジェンドで、チームメートになる大先輩の松坂大輔投手(40)を目標に掲げた。「自分が小さい頃から、活躍されていた選手と一緒に野球ができる。変化球の握りなど、いろいろ教わりたい」と目を輝かせた。大学1年秋に投手転向。最速153キロ直球を投げ込むなど、伸びしろは無限大。日米通算170勝右腕から貪欲に吸収しながら、まずは支配下登録をつかむ。

現在は、プロの世界で戦い抜くため、フィジカル面の強化に取り組んでいる。「まだ、1年間を戦える体ではない。食事面やトレーニングを見直し、仕上げていきたい」。連日、体幹トレーニング、走り込みを中心に汗を流している。担当の水沢英樹スカウト(51)は「まずは、体作りをしっかりやってほしい。休んでいる暇はないよ」とエールを送った。

本格的なプロ野球生活が始まる。来月、都内で入団発表会が行われ、背番号がお披露目される。来年1月には、新人合同自主トレがスタートする。赤上は「第一印象が大事だと思う。アピールできるように、残りの期間を過ごしたい」と、さらなる上積みを誓った。【佐藤究】