イチロー氏指導「特例」が「前例」となり議論を期待

  • イチロー氏(左から2人目)の指導を熱心に聞く智弁和歌山の選手たち(代表撮影)

<解説>

昨年に引退、現在はマリナーズの会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏(47)が4日、智弁和歌山(和歌山市)の野球部で“アマ初指導”を行った。走塁などで持論を展開した後には現役時代に天才ヒットマンの異名を取ったフリー打撃を披露。生徒らを感激させた。

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イチロー氏は、特例で学生野球資格回復を認められた。本来ならば、所属球団を退団することが条件だが、マリナーズに所属したまま。日本学生野球協会は、(1)アマチュア選手獲得のスカウト活動を行っていないこと(2)「会長付特別補佐兼インストラクター」の球団業務が常態化したものではないことの2点を確認し、資格回復を認めた。

マリナーズの業務を離れる期間を同協会に伝えることも求めた。指導は、あくまでマリナーズとは関係ない立場でのもの。つまり、高校生の“青田買い”ではない保証が必要だった。従って、例えばプロ野球の監督がオフに学生の指導を望んでも、資格回復は認められない。スカウト活動は行わずとも、監督という立場にオフはないからだ。

イチロー氏の球界への多大な貢献も考慮された。引退後も球界の常識を覆した。今回、同氏が実際に指導現場に赴いた意味は大きい。2月の認定の際、日本学生野球協会は将来的に同様のケースを認める可能性を否定しなかった。「特例」が「前例」となることで、プロアマ両方にとって何がベストか、議論が深まることを期待したい。【アマチュア野球担当 古川真弥】