ゴジラ超えや! 阪神の新入団選手9人が6日、甲子園で体力測定に臨み、ドラフト1位の近大・佐藤輝明内野手(21)は握力が右76・1キロ、左73・5キロと怪力を披露した。ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏(46)が巨人の新人体力測定で記録した右70キロを超越。アマNO・1スラッガーとされる期待のルーキーが、底知れないポテンシャルを見せつけた。

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やる気満々だった。甲子園球場に隣接する室内練習場。体力測定が始まる前、佐藤輝は上着とマスクを脱ぎ捨て、ぴょんぴょんと跳ねながら待っていた。「応援の声は届いています。頑張ろうという気持ちになっています」。モチベーションは最高潮に高ぶっていた。

度肝を抜くような数値をたたき出したのは握力測定だった。右76・1キロ、左73・5キロ。ともに新人トップで、現在はヤンキースGM特別アドバイザーを務める松井秀喜氏が巨人の新人体力測定で記録した右70キロを優に超えた。「握力は割と強い方なんじゃないかなと思います」。関西学生リーグ通算14本塁打で22年ぶりに記録更新した大学NO・1スラッガーは、同じ右投げ左打ちで日米通算507本塁打のゴジラを上回っていた。立ち幅跳びもトップの281センチをマークした。

30メートル走ではトップクラスと言われる3秒台に肉薄する4秒00。身長187センチ、体重94キロのスラッガー体形ながら瞬発力もピカイチで、権田トレーナーを「あの体格を考えると、4秒フラットというのは走り方を改善していけば3秒台も夢じゃない」と驚かせた。パワフルな打撃に俊足、強肩を兼備する高い身体能力を正式入団前から見せつけた。

この日は同期の仲間と甲子園などの球団施設や甲子園歴史館も見学。ウエートルームを見ると「トレーニングがしたい」とうずうずし、「しっかり戦える体を作りたいと思います」と自覚をにじませた。さらに矢野監督の希望で設けられた新人へ訓示で、背中を押された。「自分がプラスのことを言っていくと物事はプラスになる、マイナスを吐いてしまうと、そういう風になってしまうと言われた。いい言葉をもらったので、心に入れながらやりたい」。背番号8とチーム、虎党の期待を背負い、ゴジラ級スラッガーの道を突き進む。【只松憲】