マエケンフォームでローテ殴り込みだ! 阪神西純矢投手(19)が14日、ツインズ前田健太投手(32)をモデルにした新投法完成に自信を見せた。鳴尾浜で今年3度目のブルペン投球を行い、「軸は決まっている」と制球力アップに手応え十分。平田勝男2軍監督(61)も「1軍ローテに割って入る競争ができる」と急成長を絶賛した。高卒2年目のドラフト1位右腕が、1軍キャンプで開幕ローテ奪取を猛アピールする。

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西純が、マエケンフォームを完成させた。自主トレに励む寒空の鳴尾浜。捕手を立たせ、直球中心にカーブ2球を含む53球。納得の出来栄えで、投げ込むブルペンに、熱がこもった。

西純 自分の中で、これというフォームは決まってきた。あとは投げ込んでいって、ちょっと違うなと思ったら少し変えてみたりするのもいいと思う。でももう軸は決まっているので、それを継続していこうかなと思っています。

追い求めてきたのは、故郷の広島でカープのエースとして活躍し、幼いころから憧れた大先輩をモデルにした新フォーム。一冬越して、完成の手応えを得た。

昨年11月、宮崎でのフェニックスリーグが転機となった。開幕前に当時の安藤ファーム投手育成コーチから助言を受け、ツインズ前田のフォームを取り入れた。投球動作で上げた左足に、体の前で構えたグラブを「ポンッ」と当てて間をつくる。昨夏苦しんだトップの作り方が改善され、右腕の運びがスムーズになって課題だった制球の安定感が増した。このワンクッションで打者もタイミングが取りづらくなり、投球動作では割れができて下半身の力をうまく上半身に伝えることもできる。この日視察した平田2軍監督も絶賛だ。

平田2軍監督 素晴らしいね。1軍の球を受けている鈴衛(ブルペン捕手)が『いい球投げますよ』って絶賛するくらいだから十分、1軍ローテに割って入る競争ができるくらいになりつつある。(これまでと)全くレベルが違う。2ランクくらい上がっている。

春季キャンプは1軍発進が内定しているが、ローテも争えるぐらいと高評価。昨年1年間見守った教え子の急成長に、目を細めた。

西純は肉体改造にも成功した。昨年1月に96キロあった体重は、現在90キロ。体脂肪率が減少し、筋肉量が増加しているという。遠い親戚にあたる西勇からはトレーニング法を教わり、「自分の練習の時間をもっと大切に」とのアドバイスで自主練習も毎日3時間以上をこなしている。「自分の思っている以上に仕上がっています」。キャンプで猛アピールし、層の厚い先発陣に食い込む。臨戦態勢はバッチリだ。【奥田隼人】

 

▼阪神鈴衛ブルペン捕手(西純の投球を受け)「僕の中では(これまでで)一番、体感速度が速く感じました。今日は立ち投げでしたが、いい球がきていた。この時期としては、素晴らしい球でした」

 

◆阪神の先発事情 昨季開幕投手で11勝を挙げた西勇が軸。同じく11勝の秋山、2年連続で規定投球回に到達した青柳は、今季も柱として期待される。左腕の高橋、先発復帰する藤浪に加え、ドラフト2位で即戦力の評価が高い伊藤将、西純らの若手がキャンプでアピールする。外国人では昨季韓国プロ野球で20勝を挙げ最多勝を獲得した右腕アルカンタラ、ロッテから移籍の日米95勝左腕チェン、昨季先発と中継ぎを経験したガンケルが先発候補になる。

<阪神今季の先発候補>※△は左腕

西勇

秋山

青柳

高橋△

藤浪

伊藤将△

西純

アルカンタラ

チェン△

ガンケル