巨人を抑えて、打って、優勝へ! 阪神梅野隆太郎捕手(29)が16日、沖縄県内のグラウンドで岩崎、大山らとともに行う自主トレを公開した。昨季は優勝した巨人に7・5ゲーム差をつけられての2位。今年は、宿敵の機動力を抑え、推定年俸8億円のエース菅野を攻略し、16年ぶりのリーグ優勝へ弾みをつけると誓った。

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チームの柱として、梅野の誓いはぶれなかった。例年の沖縄自主トレを公開し、オンライン取材に対じた。

「チーム全員で優勝したい気持ちがあるんで、そこに向けてしっかり準備していきたいなという気持ちで新たな年を迎えました」

昨年まで一緒だった先輩の能見がオリックスに移籍。今年は新たに同じ捕手で22歳のDeNA山本を加え「チーム梅野」を引っ張る自覚は強くなっている。

優勝に向けて倒さなければいけない相手はもちろん、昨季8勝16敗と大きく負け越した王者巨人だ。巨人戦の借金8と7・5ゲーム差の2位の因果関係は否定できない。投打のパワーに加え、足でかき回された印象も強かった。

「エンドランをかけてきたり、作戦面がすごく細かなチーム。機動力を抑える意味でも、自分たちも頭を使って野球をやっていかないと防いでいけない」

盗塁は企図数13に対して成功10を許した。今年はDeNAから俊足の梶谷もFA加入した。

「梶谷さんを走らせないとか、相手の情報をなるべく押さえるようにやっていきたい」

より情報を多く集めて投手とのコミュニケーションを密にし、敵を上回る頭脳戦で走らせないつもりだ。

相手エースの存在もプラス材料にする。昨季5戦で4勝を献上した菅野は残留が決定。チームが打率2割1分5厘、4本塁打と抑え込まれ、梅野も10打数1安打、打率1割と苦しんだ。矢野監督は残留に際して「菅野に勝った1勝はチームとしての価値も上がる」と前向きに捉えており、梅野も同じ思いだ。

「いい投手だからこそ、菅野さんから勝って、とんとんとんと貯金をつくる勢いも大事だと思う。勢いに乗れる分岐点も出てくると思うので、そういうのも楽しみにやっていきたい」

強敵だからこそ打ち勝てば、流れをグッと引き寄せられる。今はひたすら打ち込み、牙を研ぐだけだ。

30歳を迎えるプロ8年目。優勝、そしてその先にあるベストナインを目指す。阪神は球団ワーストタイの5年連続で選出者が出ていない。

「優勝捕手は評価されると思う。それは分かってるからこそ、優勝が大事だと思う」

最高の準備を進めて、最高の結果を残す。【磯綾乃】