前年68試合に出場した高卒2年目の阪神藤田平内野手が、阪急とのオープン戦(高知市営)に「3番二塁」でスタメン出場した。打っては初回に二塁打を放ち、守備でも打球を軽快に処理。「(二塁は)慣れていないので、遊撃のほうがやりやすいですね。けれども、やれといわれたらどこだってやります」と藤田。遊撃はベテランの吉田義男が守った。

藤本監督は「藤田の3番は少し重荷かなと思うが、やってみたんや。もう少しキャンプでパンチをつけたら十分いけるな」と評価した。だが結局、この年の公式戦では藤田は「1番遊撃」での先発がほとんど。二塁は守らず、3番での先発もシーズン終盤の6試合だけ。二塁は主に吉田が守った。この年、藤田は初の規定打席に到達し、打率2割9分1厘、16本塁打、44打点をマーク。一気にレギュラーへ駆け上がった。