通算100号まで残り2本と迫っているオリックス吉田正尚外野手(27)が、幼少期の憧れのバッターを口にした。

「小学校の頃だったら…松井(秀喜)さんですかね」

「ゴジラ」の愛称で巨人、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏はNPB10年間で332本、MLB通算10年間で175本と日米通算507本塁打のアーチスト。同じ左の強打者の打撃を画面越しに見て、何度も衝撃を受けてきた。吉田正は「(通算本塁打は)まだまだ遠い数字なので…。1打席を無駄にせずに、1本でも多く打てればいい。1本1本の積み重ねです」と、まずは史上301人目の100号到達を目指す。

吉田正は昨季、打率3割5分で自身初の打撃タイトルである首位打者に輝いた。「去年は最後の方は打率重視になっていた。小さいスイングになっていたので、(今季は)自分の強いスイングを心掛けて」と、ここまでリーグ2位の7本塁打を記録し、トップのロッテ・マーティンとは3本差。ホームランキングも射程圏内で、打率3割3分9厘はリーグトップだ。

今季ここまで好不調の波はない。「打てるときもあれば打てないときもある。自分のスイングを心掛けて打席に立てればいい。追い込まれたらポイントを近くして、逆方向に」。アーチ&ヒット量産態勢に入っている。

チームは借金2で、3年ぶりの貯金生活も見えている。「ゴジラ」に憧れた「和製ハーパー」のバットが、上位浮上に導く。【真柴健】