新型コロナウイルス感染者の濃厚接触者と判定され、戦列を離れていた広島森下暢仁投手(23)が、5日の「日本生命セ・パ交流戦」の楽天戦(マツダスタジアム)で先発マウンドに帰ってくる。

5月22日からの隔離期間を3日に終え、4日にチームに合流。コロナ禍に見舞われたチームは、5月19日巨人戦の九里以来、先発に勝ち星がつかず。相手先発は「マー君」こと田中将。広島の“まーくん”の快投に、期待がかかる。

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試合開始早々、先発中村祐が楽天打線に打ち込まれた。初回、先頭から連打を浴び、1死から島内の中前打で先制点を許すと、2死一、二塁からは黒川に右越え3ランを被弾。4回にも1点を失い、4回5失点で降板した。佐々岡監督は「こういう状況で4点は重いよね。下でもう1回やってもらいます」と、中村祐の再降格を明言した。

先発がピリッとしない試合が続く。チームがコロナ禍に見舞われた影響で、先発の九里、森下、高橋昂が離脱。5試合の延期を挟み、試合再開後は2勝4敗1分け。ファームから次々に先発要員を昇格させたが、5月19日巨人戦で完投した九里以来、先発に勝ち星がない。今季のチーム打率は12球団トップの2割6分1厘。だが投手陣が試合を作れず、勝ちきれない。

そんな苦しい状況下で、防御率1・84を誇る森下がチームに戻ってきた。5月12日ヤクルト戦以来の5日楽天戦の先発へ向け、本拠地で調整。長く戦線を離れていただけに「申し訳ないという気持ち。(テレビで)試合を見て、早くチームに戻りたいという気持ちでいました」と振り返った。

自身初の交流戦は、注目の“マー君対決”となる。楽天先発は田中将。チームで「まーくん」と呼ばれる森下は「(田中将は)世界を経験している投手。このタイミングで戻ってこられて、対戦できるのは本当にめちゃめちゃ楽しみ。勝ちたい気持ちが強い」と胸を躍らせた。難敵との投げ合いを制し、チームに勝利をもたらす。【古財稜明】