中日は29日、藤井淳志外野手(40)が今季限りで現役を引退すると発表した。19年を最後にここ2年は1軍出場がなく、2軍生活が続いていた。ドラゴンズ一筋16年。現役生活に終止符を打つことを決断した藤井は「16年間、温かいご声援、本当にありがとうございました」と球団を通じて感謝を明かした。

地元の愛知・豊橋市出身で、筑波大、NTT西日本を経て05年の大学・社会人ドラフト3巡目で中日入団。俊足巧打が武器のスイッチヒッターで、06年には新人では福留孝介以来7年ぶりとなる開幕スタメンに抜てきされた。09年には114試合に出場して年間最多の10本塁打をマークするなど、貴重な外野手として、落合監督時代の黄金期を支えた。

豊橋市民球場で行われる年に1度の試合では14年、15年と2年続けて劇的な本塁打をマーク。ともに広島戦で、14年は8月5日にプロ初のサヨナラ本塁打、15年は5月20日の34歳の誕生日に逆転3ランと、ファンに強烈なインパクトを残した。17年には自己最多の128試合に出場したが、近年は若手台頭の影響を受けて出番が減少。11年の中日最後のリーグ優勝を知るメンバーが、ユニホームを脱ぐことになった。

中日2軍は30日にウエスタン・リーグの今季最終戦となるソフトバンク戦(タマスタ筑後)を予定。引退会見などは今後、調整を行い、詳細が決まる見込みだ。

◆藤井淳志(ふじい・あつし)1981年(昭56)5月20日、生まれ。愛知県豊橋市出身。豊橋東-筑波大-NTT西日本を経て、05年大学・社会人ドラフト3巡目で中日入り。俊足好打の外野手として活躍。15年に国内フリーエージェント(FA)権を取得したが、行使せずに残留した。通算1093試合、打率2割6分2厘、45本塁打、273打点。183センチ、82キロ、右投げ両打ち。