中日の来季新監督に就任要請されている球団OB立浪和義氏(52=野球評論家)が22日、愛知・北名古屋市の天神中学校で講演会を行った。愛知県教育委員会が主催する「キャリアコミュニティプロジェクト『未来』講演会」で、11日に監督要請を受けて以来初の公式イベントへの出席。立浪氏はオンラインでも参加した5つの中学校の生徒らに「目標に根気良くコツコツと努力して、1人でも多く喜んでもらえるような大人になって欲しい」とエールを送った。

最後のド直球の質問に竜のレジェンドもたじたじだった。「中日の来季の戦力はどうですか。優勝できますか」と、参加した中学生からの質問に「一番難しい質問」と苦笑いした。

「物には順序があるけど優勝を目指してがんばりたい。いまの中日は若い選手に切り替わる時期。それでも違うな、と思わせるようなシーズンにしていきたいです」

中日からは11日に来季監督の要請を受けたばかり。正式な就任は今月末に予定されているが、公の場で初めて「優勝」の2文字が口をついた。

講演会では中学生との会話の「キャッチボール」を楽しんだ。野球選手になるきっかけ、失敗談などの質問を受け、丁寧に言葉を選んでいった。「今後の夢」を問われるとゆっくり言葉を選んだ。「40歳で現役を引退して、そのころから将来はドラゴンズの監督をやりたいと思ってきた。引退して12年たってやっと夢がかないそう。チームを強くして、リーグ優勝、日本一になるのが夢です」。夢を思い描いた立浪氏の表情は、中学生たちに負けないほど輝いていた。