開幕投手は誰にも譲らない。広島大瀬良大地投手(30)が21日、マツダスタジアムで自主トレを公開し、3年連続で登板している開幕戦へ強い意気込みを明かした。昨季13勝で最多勝の九里や8勝の森下も開幕投手に名乗りを挙げているが、3月25日の敵地横浜戦マウンドは自身が立つ意気込み。球団史上4人目となる4年連続開幕投手を手中に収めるべく、背番号14が強い決意でキャンプに臨む。

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大瀬良は照準を3月25日の横浜との開幕戦(横浜)に定めた。19年から3年連続で開幕戦に登板。昨季13勝で最多勝九里や8勝を挙げた森下も開幕投手への意欲は示しているが、簡単に譲るつもりはない。「3年やらせていただいて、もう1度あのマウンドに立ちたい。いい競争の中で勝ち取れるように」。球団では長谷川良平、北別府学、黒田博樹以来となる4年連続の開幕投手を目指すと表情を引き締めた。

シーズンへの下準備も着々と進んでいる。6日から19日までは沖縄県内で森下や大道らと自主トレを敢行。練習の厳しさには同僚も舌を巻くほど定評があるが、「基本に立ち返ってしっかり鍛えていこう。暖かい沖縄でしっかり体を動かそう」と例年にも増して、自らを追い込んだ。「多いときは100メートルをインターバル走で50本」と徹底して走り込んだ。「自分で(メニューを)組んで、だいぶんハードだな思った」と苦笑いで振り返った。

ここまで奮い立たせる原動力は昨季の負傷離脱だ。4月中旬、右腓腹筋(ひふくきん)の挫傷で1カ月間、戦線を離れる悔しい時間があった。「ふくらはぎをケガして夏場にお尻、股関節まわりを重点的に鍛えて、後半は納得できるボールが多く投げられた。そこで重要性を強く感じた」。けがの功名で下半身と連動を再確認。ノーモア故障離脱も誓い、1軍フル完走を期して沖縄で鍛え上げた。

「優勝を目指してやっていかないといけない。そのための1つのピースとなって引っ張っていけるように」。今季から選手会長に就任。シーズン第1戦からチームを引っ張り、4年ぶりV奪回を導く意気込みだ。【前山慎治】