巨人のキングが“令和の怪物”をのみ込んだ。岡本和真内野手(25)が18日、ロッテとのオープン戦で貫禄のグランドスラムを決めた。3点を追う5回にロッテ佐々木朗の159キロ直球をバックスクリーン右へ5号満塁本塁打。ここ2戦は上半身の違和感で大事をとって欠場していた主砲が、全快を一発回答で示した。2年連続セ・リーグ本塁打王が、日本球界最速右腕を打ち砕き、開幕へと進む。

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岡本和が剛速球の軌道にバットの芯を添えた。3点を追う5回2死満塁。カウント2-2からの5球目、サインに首を振って投げ込んできた佐々木朗の159キロ直球を捉えた。打った瞬間の一打。両手でグリップを握ったまま、ダイヤモンドへと駆けだす。「前のポランコが粘ってつないでくれたチャンスだったので、何とかかえしたいと思って打席に立ちました。しっかり捉える事が出来て良かったです」と振り返った。

4番の重責を全て受け止める圧倒的な存在感が醸し出す。5本塁打は、ここまでのオープン戦で12球団トップタイ。2日西武戦の1号を皮切りに、3日同戦でも1試合2発の全快モードに突入させた。「今年はやりますよ。うん。今年はやります」。本塁打量産の要因を多くは語ろうとしないが、調整過程には静かにうなずいた。

1年前のオープン戦は眠れない主砲だった。なかなか調子が上がらず、8戦目、27打席目でようやく1発が生まれた。昨季は開幕前は2本塁打にとどまり「前の年に本塁打のタイトルをとっていてもシーズンが変われば関係ない。オープン戦でも打てなければ不安になる」と吐露。眠れない夜を過ごしたスラッガーにとって、本塁打は唯一の良薬であり活力になる。

15日の中日戦からここ2試合は上半身の違和感で欠場した。3戦ぶりの復帰戦で4回の中前打を含む、2安打4打点。圧倒的な1発を原監督も「あの1球に関してはね。岡本に軍配が上がったということですよね。見応えのある本当にプロらしい勝負だった」とたたえた。開幕まで1週間を切った。岡本和は「身体は問題ないので、これからも、まだまだ状態を上げて開幕を迎えられるようにやっていきたいです」と意気揚々と言った。不安なく幕開けを待つ。【為田聡史】

▽巨人ウィーラー(6回先頭、ロッテ小沼の初球直球を左中間へ運ぶ2号ソロ) 野球の極意はシンプルに来た球を打つ。開幕1週間前にそれが出来たよ

▽巨人桑田投手チーフコーチ(大勢の起用法に) キャンプから目標はクローザーなので、そこを目指していこうなという話はしてます。8回か9回かは監督が決断する。我々はクローザーになれるように頑張ろうなと。それに向けて歩んでいる状況です