昨年の東北代表2チームが順当に勝ち上がった。昨年、8大会ぶりの都市対抗初戦突破を果たしたTDK(秋田・にかほ市)は、JR盛岡(岩手・盛岡市)に11-2の快勝。奥村幸太捕手(24=神奈川大)が6投手をリードし、9回を2失点に抑えて逃げ切った。昨年8強のJR東日本東北(宮城・仙台市)は水沢駒形野球倶楽部(岩手・奥州市)に12-0の7回コールド勝利。15安打12得点の猛攻で圧倒した。2チームは6日の準決勝で対戦する。

TDK先発の最速154キロ右腕・鈴木大貴投手(24=流通経済大)が1回、JR盛岡・中沢優也外野手(25=東北福祉大)にソロ本塁打を浴びた。奥村は「(鈴木の)直球が走っていた。序盤は変化球でかわすより、直球でどんどん押して、鈴木さんの良さを引き出せればと思っていました。(このホームランで)うまく切り替えられました」。1本を浴びたことで冷静になった。後続を一ゴロ、空振り三振に仕留めて3アウト。鈴木の長所を生かし最少失点に抑えた。2回には1死二塁で左越えに逆転2点本塁打。奥村は「『まず1点を返そう』という意識が最高の結果につながった。びっくりしました」と笑顔。初回の失点を自分のバットで取り返した。

3回、TDKの猛打が爆発。打者13人を送る7安打9得点のビッグイニングで11-1と一気に相手を突き放した。佐藤康典監督(52)は、「序盤に集中して点を取ってくれたので、いろんな選手を使うことができた。(選手たちに)2次予選の雰囲気を味わわせたかった」。ベンチ入り25人のうち20人を起用。3年連続の都市対抗本戦出場に向けて経験を積ませた。

昨秋ドラフトでオリックス7位指名を受けたエース小木田敦也(23)がプロ入り。鈴木との2枚看板が崩れたが、奥村は「(TDKには)良い投手がたくさんいる。戦力が落ちたという印象はないです。むしろ小木田が抜けたことによって、投手陣全体の士気が上がっていると感じています」。小木田のプロ入りを機に、昨年投げていなかった投手の台頭もあり、チームの投手力は向上している。投手陣のさらなる活躍には捕手の成長も不可欠。指揮官は奥村に「もっともっと成長してほしい」と期待を寄せた。2年目となる扇の要がチームを勝利に導いていく。【濱本神威】