日本ハムが延長にもつれた楽天戦(楽天生命パーク)を制し、24日から始まる札幌ドームでのラスト5連戦へ向けて弾みを付けた。新庄剛志監督(50)が絶大な信頼を寄せる上川畑大悟内野手(25)が、延長10回に守備ではなく打撃で“神川畑”となって決勝打を放った。混パをかき乱すBIGBOSS野球を展開して、本拠地として戦う最後の札幌ドームで有終の美を飾る。

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BIGBOSSは試合後、ひと言だけ、コメントを残した。「しかし上川畑くんはチャンスに強いね! 頼りになりますわ!」。

延長10回1死二、三塁。上川畑は「ここで決めたいなという強い気持ちを持って打席に入りました」と、気合を入れて“神川畑”に変身。日本記録タイのデビューから22試合連続無失点中だった楽天宮森の147キロ直球を左前へ運んで決勝点を奪った。

勝負どころでも冷静に対応できるからこそ、BIGBOSSの信頼も増す。捉えたのは直球だったが、狙いは変化球だった。「2球目(のフォーク)をファウルにした時点で、変化球狙いがバレたかなって、ちょっと頭をよぎったんで、真っすぐを少し頭に入れて打席に入りました」。客観的なイメージも膨らませて頭の中を整理。ファウル直後の真っすぐを打てたのは偶然ではなかった。

気持ちも高ぶっていた。自身の前を打つ4番清宮が初球は空振りしながらも、一、二塁という難しい状況で今季2個目の犠打を決めていた。「なかなか清宮がバントする場面というのはない。その清宮が送ってまでつくったチャンスなので、何とかつないでいきたいなという気持ちでした」。上川畑の勝負強さを引き出したBIGBOSS采配から、一挙4得点で今季最後の仙台での試合を制した。

4時間超えの熱戦を白星で締めくくると、チームは空路で北海道へ戻った。24日からは、今季限りで本拠地ではなくなる札幌ドームで最後の5連戦が控える。BIGBOSSが「SHINJO」だった04年から、球団がともに歩んできた歴史が、ついに終幕する。上川畑は「まだまだ、もっとアピールしていきたい。全力を尽くしてプレーします」と意気込んだ。チームにとっても、今季の集大成を見せたい5試合。最高の試合を続けて、札幌ドームにサヨナラを告げる。【木下大輔】

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