140試合目。巨人岡本和真内野手(26)が、5年連続で30号にたどり着いた。1点を追う2回。中日小笠原の直球を力みのないスイングで捉え、ライナーで左翼席へ。「自分のスイングでしっかりと捉えることが出来ました」と納得の一振りで、王と松井以来となる生え抜きでの5年連続30本塁打を決めた。

5年目の30本目までは険しく、長い道のりだった。6月までの75試合で20アーチを描いたが、7月から不振に陥った。8月11日、張ってきた4番からも1049日ぶりに外れた。だが、もがき続けた。喜怒哀楽を内に秘める男が、ベンチ裏でヘルメットに怒りをぶつけたこともあった。懸命な姿に、誰もが復活を願い、信じた。勝負どころの9月は打率3割2分8厘、5本塁打。自身最遅の大台到達にも、原監督は「今年はいろんな意味で糧となるような状況というかね、すごく悔しい思いもしている。今後の彼に期待するということ」と成長を見て取った。

主砲の一撃で一気に攻めたてたかったが、チームは惜敗した。小笠原を7回4安打10三振、1得点と攻略できず。5回と7回には相手失策から好機を得たが、いずれも犠打失敗と細部の詰めを欠いた。原監督は「(犠打を)できなかったのは大きかったですね」と振り返った。

残り3試合。順位は3位のままだが、試合のなかった4位阪神と広島には1ゲーム差に迫られた。苦難のシーズンも、いよいよ最終盤へ。岡本和は「この後も負けられない戦いが続くので、チームの勝利のために次の1本を打てるように明日からも頑張ります」と顔を上げた。目指すCS舞台まで、もがきながら自力で進んでいく。【浜本卓也】

▼岡本和が今季30号を放ち、18年から5年連続30本塁打をマークした。30本を5年以上続けたのは14人目で、巨人では62~80年王の19年連続、96~02年松井の7年連続に次いで3人目。巨人の右打者では初の5年連続となった。岡本和は22歳シーズンから続け、今年が26歳。26歳シーズンに5年連続は66年王、00年松井に並ぶ最年少記録。

▽巨人元木ヘッド兼オフェンスチーフコーチ(岡本和について)「これからだよね。彼の力からしたら、30号といっても少ないと思うくらいだから。苦しんでいる部分がまだまだある。これがいいきっかけになってくれればいいけどね」

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