ロッテのリーグ優勝の可能性が、シーズン137試合目で消滅した。残り6試合を全勝しても、最終的な勝率でオリックスを上回ることができない。

井口資仁監督(47)就任5年目の今季は「頂点を、つかむ。」をスローガンに始動したが、長らく5位に低迷。CS進出の可能性も残るものの厳しいシーズンとなった。V逸の原因を投打に分けて振り返る。

 

■リリーフ陣不調

試合終盤の不安定さが響いた。20年、21年と2年連続2位に入った。20年は唐川→沢村(20年オフに退団)→益田、21年は佐々木千→国吉→益田と7~9回に送り出す投手が固まり、必勝リレーとしてしっかりと機能していた。

3連投NGなど吉井投手コーチ(現・投手コーディネーター)が定めて運用していたものの、それでも前年までの疲労蓄積は顕著だった。今季は唐川、佐々木千がコンディションの問題で出遅れ、国吉も開幕直後から乱調。再調整になると、2軍公式戦ではアウト1つも取れず7失点することもあるなど精彩を欠いた。

そんな中で、サイドスローの東條が台頭。5月前後からホールド数を着々と増やし、初の球宴にも選ばれた。しかし、球宴直前に新型コロナウイルスの陽性判定で一時離脱。チームは7月に多くの離脱者を出したが、得点力不足の打線を考えると、リードした状態で相手の攻撃をあと2回まで持っていける東條の離脱は戦略的に大きく響いてしまったといえる。

前半戦ラストに白星を重ね、東條不在ながら貯金状態で迎えた後半戦のスタート。4投手の継投で8回まで3点をリードし、守護神益田が9回にオリックス杉本に同点3ランを浴びた。延長12回の末に敗れ、オリックスに後半戦3連敗スタート。8月中旬までに3連敗、4連敗もあり、8月11日は益田はソフトバンク今宮に再び決勝被弾した。

益田は井口監督就任2年目の19年からクローザーに固定され、17年(38試合)を除けば、プロ入り以降全ての年で50試合以上に登板している。選手会長でもあり、存在感は大きい。簡単に外せないポジションながら、今季はセーブ数以上に印象的な失敗が増えていた。井口監督は8月11日の敗戦後に「チームのクローザーなのでこういう負け方をするとどうしても響くというか、ずるずるいってしまいがちで」と話し、その後決断。新戦力オスナにリード時の9回を託し、益田は再調整後、さまざまな局面でリリーフしている。

■最後は先発層にも課題

先発陣は24日時点で76度のQS(クオリティースタート=6投球回以上、自責点3以内)を達成し、試合を作ってきた。3月末から9月末まで143試合を大きな中断なく進める3年ぶりのシーズン。短期的にローテ投手の登録抹消も入れつつ、中堅・若手の先発層の経験強化を図ってシーズンを進めていた。

吉井氏に代わり、今季から木村投手コーチが1軍チーフ格に入った。巨人でトレーニング指導の経験もあり、短期決戦が肝になる社会人野球のコーチも経験。長いシーズンで時に選手にケアをほどこしつつ、確かな行動力と入念なコミュニケーションでコンディション管理を行ってきた。ただコロナ禍での予期せぬ離脱もあって、全てはうまくいかず。シーズン終盤ではベテラン美馬の奮闘は光っているものの、シーズン初完走間近の佐々木朗の登板が減り、石川も上半身のコンディション不良、ロメロも左肩の張りで戦線離脱に。野手同様、そこを救う選手層が継続的な課題だ。【ロッテ担当=金子真仁】

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