残り3戦全勝での逆転クライマックスシリーズ(CS)進出へ、阪神が非情タクトにムチを入れる。甲子園で投手陣をチェックした金村暁投手コーチ(46)がゲキを飛ばしたのは、27日からのヤクルト2連戦に先発する青柳と伊藤将だ。

「チームが勝つことが最優先。先発の頑張りでしょうね。ヤギ(青柳)と将司(伊藤)はよく分かっていると思うけど、1点でも取られたら代わるくらいの気持ちで投げていかないといけない。代わりたくなかったらゼロで抑えるしかない」

ともにシーズンのラスト登板。青柳は単独13勝による2年連続の最多勝&最高勝率、さらには最優秀防御率の3冠がかかっている。伊藤将も新人からの2年連続2桁勝利がかかっている。だが、もうここまでくれば2人のタイトルや節目よりもチームの白星が最優先。1点でも取られたら、代わるぐらいのつもりで投げろ。それがいやなら0で抑え続けろ。7戦勝ちなしの青柳と2戦勝ちなしの伊藤将に奮起を促す意味でも、“何が何でも0封指令”が飛んだ。

この日3位巨人が敗れて0.5差に縮まり、ミラクルも現実味を帯びてきた。矢野監督も「もう勝たなあかん。高校野球のトーナメントのようなつもりで1戦1戦戦う」と改めて残り3戦の全勝を宣言した。23日の敵地広島戦で3番手で2回を0封し、白星を呼び込んだ藤浪を引き続き「第2先発」としてスタンバイさせる。先発が崩れそうになれば、早め早めの継投でブルペン陣の総力をつぎ込む覚悟だ。金村投手コーチは「もう体も(登板)試合も増えてきてしんどいと思うけど、可能性がある限りは腕を振り続けなければならない」と力を込めた。今こそリーグトップの防御率2.70を誇る投手陣の底力を見せる時。総力を挙げてヤクルト連倒に挑む。【石橋隆雄】

阪神ニュース一覧はコチラ>>