逆転CSへ、矢野監督が売り出し中の高寺望夢内野手(19)をラッキーボーイに指名した。「残りの試合ももちろん楽しみやし、来年、再来年と楽しみな選手には間違いない。もちろん結果的にラッキーボーイになってくれたらいいけどね」。27日のヤクルト戦は右腕高梨の先発が予想され、2試合連続スタメンが濃厚。23日の敵地広島戦で再昇格し、プロ初安打を初打点のタイムリーで飾った勝負強さに期待を込めた。

甲子園で全体練習に参加した高寺もその名の通り、“望む”ところだ。「ヒットだけじゃなくて、走れれば一番いいと思います」。チームメートから「天才」と呼ばれる打撃に加え、50メートル6秒0の快足も持ち味。ウエスタン・リーグでは、昨季2個だけだった盗塁数も今季は5位の14個に増やしている。打撃、走塁の理想は「近本さんと中野さん」。パンチ力も秘めた打撃プラス快足で、神宮でも暴れ回る意気込みだ。

矢野監督は「失敗を恐れず、走れる選手になっていかないとアイツも出れない。そういう意識も高くなったと思う」と期待は大きい。残り3試合もスタメンで起用される可能性は高い。高寺も「チームの勝利に貢献できれば」ときっぱり。虎の新風が、逆転Aクラスに弾みをつける。【古財稜明】

◆高寺望夢(たかてら・のぞむ)2002年(平14)10月17日生まれ、長野県出身。上田西から20年ドラフト7位で阪神入団。1年目の昨季は1軍戦出場なし。今年は初めての1軍春季キャンプで完走。ウエスタン・リーグでは今季90試合に出場し、89安打、3本塁打、44打点、打率2割8分でリーグ1位。178センチ、76キロ。右投げ左打ち。

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