BIGBOSSから、早くも来季の開幕投手に指名された日本ハム加藤貴之投手(30)が30日、札幌ドームでの全体練習後、大役抜てきへの思いを明かした。「まだ確定ではないと思うので」と半信半疑ながらも「本当に大事」。チームは、来季、北海道北広島市にオープンする新球場「エスコンフィールド北海道」で、セ・パ両リーグの開幕日より1日先んじて、3月30日に開幕戦を迎える。

    ◇    ◇    ◇

12球団最速で来季の開幕投手に決まった日本ハム加藤が、12球団最速で迎える本拠地開幕戦へ向けて、おとぼけの“加藤節”を連発した。新庄監督が「左のエース」と認めた左腕は、あまりのフライング告知に「びっくりしました」としつつも「(開幕戦までに)まだ日にちもあるので、監督の気持ちも変わるだろうと思って」「まだ確定ではないので」と、半信半疑。「まだ早いので。まだ特に意識はしていないですね」と、実感が伴わないのも無理はない。それでも「本当に大事だと思うので、しっかりと練習したい」と、181日後の晴れ舞台へ気を引き締めた。

大役を告げられたのは、1週間ほど前、札幌ドームでの練習中だった。「あいさつをした後に言われた」と突然だったようだ。すぐに、開幕投手の経験があるエース上沢に「(開幕投手と)言われたんだけど。マジか?」と報告。上沢は「僕は『マジでしょ。めっちゃ、いいと思いますけどね』と言いましたけどね」と不敵に笑い「成績を残した人間が投げるべきだと思うし」と、うなずいた。

先発ローテの一角を守った今季は8勝7敗、防御率2・01とキャリアハイを更新。シーズン11与四球と、プロ野球の最少記録を72年ぶりに塗り替えた。「キャンプからいいフォームを作れた。1年間、安定していた」と加藤。「もっともっと自分にプレッシャーをかけて練習したい」と、現在地に満足する気は、さらさらない。【中島宙恵】

○…新庄監督が「開幕投手告知」の“におわせ”を明かした。26日にインスタグラムで「皆様にご報告があります」と、後ろ姿の写真を投稿。背番号1の下に添えた左手が、4を表しているとファンの間で話題に。開幕投手に指名した加藤の背番号は「14」。中には気付いた人もいたようで「すげえな~、ファンの人たちは。よう、分かったなと思った」と感心していた。

○…日本ハムの中継ぎ投手陣が18年から支援してきた「北海道こどもホスピスプロジェクト」の仮施設が1日に札幌市内でプレオープンする。これまでリリーフ陣のホールド・セーブ数に応じた金額を寄付してきた。同施設ではまず、北大病院小児科と協力しながら、重病のこどもたちが治療の合間や退院後に、きょうだいや友人、家族らと過ごすことができるようにサポートしながら、徐々に規模を広げていくという。30日にブルペン陣を代表して同施設を訪問した宮西尚生投手(37)は「支援してきて、こういう形としてなったのはうれしいことです。これからも少しでも協力できたらと思う」と話した。

◆離日 日本ハム王柏融外野手(29)が台湾、とレナート・ヌニエス内野手(28)がベネズエラへ戻るために離日した。

日本ハムニュース一覧はコチラ>>