DeNA三浦大輔監督(48)が、試合の舞台裏や自身の思いなどを語る「月刊ハマの番長」。22年シーズン最終回は、1勝2敗で敗れた阪神とのCSファーストステージの戦いを振り返りながら、来季に向けたチーム構想などを語った。【取材・構成=久保賢吾】

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-阪神とのCS第3戦、1点を追う9回1死満塁から代打藤田を選択。大田も残る中でベテランの経験、勝負強さにかけたが、初球併殺打で試合が終了した

大田か、藤田のどちらかというところで、より状態が良かった藤田を選択した。ダブルプレーになりましたけど、あの場面で初球を打つことはすごく勇気がいること。しっかりと準備したからこそ、当たりもボテボテじゃなく、捉えた打球でしたからね。託して結果が出なければ、送り出した監督の責任です。

-試合後のグラウンドでは、佐野や浜口ら涙を浮かべる選手の姿もみられた

それだけ試合に集中して勝ちたかった証拠。去年に比べれば、1球にかける思いは熱くなってきた。みんなが熱い気持ちを持って戦えるようになってきたのは大きいですし、選手が変わってきたと感じています。

-サヨナラ負けで目の前でヤクルトの連覇が決まった9月25日ヤクルト戦、阪神とのCS第3戦で1点差で敗れた試合ともに、1点以上の差があると言った

攻撃では、取れる時に確実に点を取る、走者を進めておく。守備ならここっていうところでアウトを1つ取る、1点を防ぐ。ヤクルトは、それを確実にチームとして進められている。その辺の差が大きい。うちはもっと、その確率を上げていかないといけない。

-オリックスが制した日本シリーズを見て、思ったこと、感じたことは

1球、1プレーで流れがガラッと変わりますし、あらためて野球の面白さを感じた一方で、あの独特な雰囲気の中でプレーできるのがうらやましくもあり、立てなかった悔しさも感じた。やっぱり、日本シリーズは見るものじゃなく、やるものだなと。その思いは強くなった。

-来季に向けて構想を練る中、変える部分、変えない部分は出てくる。今季不動だった「4番・牧」を変える可能性はあるのか

可能性はゼロではないです。打線として、他の選手との兼ね合いを見ながらです。今年は牧の成長もあって、牧以外に誰に4番を打たせるかを考えても、彼しかいなかった。同時に、牧にはもっともっと大きくなってほしい。そうならないとチームは強くならないし、上には行けない。牧本人もしんどかったと思うけど、この経験は必ず今後につながる。

-昨年は「横浜一心」、今年は「横浜反撃」がスローガン。来年のスローガンに込めたいものは

確定ではないですけど、何となく頭の中に浮かんでるものはあります。言わないですけど(笑い)。チームにとって、「これだ」というものではないと意味がないと思うので、いろいろ考えているところです。

-今季の「月刊ハマの番長」は今回が最終回。最後に読者へメッセージを

今シーズンも熱い応援をありがとうございました。今年、ハマスタにウィング席ができてから初めて満員のスタンドを見て、壮大というか、改めてファンの方のパワーをすごく感じました。コロナで規制がある中、何とか思いを届けようと拍手やタオルを掲げる姿はチームの支え、力になりました。自分は勝った後に整列してスタンドにあいさつする時が、一番幸せな時間でした。来年はもっともっとあの景色を見られるように頑張ります。