ロッテが来季の2軍監督に球団OBの大村三郎氏(46=楽天スカウティングアドバイザー)を招へいすることが9日、分かった。

現役時代は登録名「サブロー」でファンに愛された強打者は、05年、10年と2度の“下克上”日本一にも中心選手として大きく貢献した。福浦和也ヘッド兼打撃コーチ(46)とともに黄金時代メンバーでタッグを組み、吉井理人新監督(57)率いる新政権を盛り上げていく。

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サブローがロッテに戻ってくる。16年限りで現役引退。球団SA(スペシャルアシスタント)を務め、20年以降は楽天でファームディレクターやスカウティングアドバイザーの立場にある。今後、正式契約を結べば、7年ぶりに懐かしのピンストライプを身にまとうことになる。

大村氏はPL学園(大阪)から94年ドラフト1位でロッテに入団。右投げ右打ちの強打者として、プロ22年間で通算1782試合に出場し1363安打、127本塁打をマーク。強いリーダーシップでチーム内の影響力も大きかった。11年途中に巨人に移籍し約半年間在籍した以外は、ロッテひと筋でプレーした。

引退後は野球評論家としても活動した。19年3月には佐々木朗希投手(21)の大船渡(岩手)時代の練習試合も生視察。「同じ野球人として、これほどの才能があることがうらやましくさえ感じた」と衝撃を口にしている。精力的に現場を訪れ、野球界全体への見識を深めてきた。

16年の引退試合では、満員のファンに宣言した。

「私の子どもの頃の夢は、プロ野球選手になることでした。その夢は無事に達成することができました。ですが、私にはもう1つの夢があります。この千葉ロッテマリーンズを日本一の球団にすることです。その夢に向かって勇往まい進して参ります」

ロッテ2軍は近年だけでも和田、本前、茶谷、佐藤奨ら育成選手が続々と支配下切符をつかむなど、活発な競争の環境にある。若者たちと再び夢を追う。

◆大村三郎(おおむら・さぶろう) 1976年(昭51)6月1日、岡山市生まれ。PL学園から94年ドラフト1位でロッテ入団。「つなぎの4番」として05、10年の日本一に貢献。11年途中に巨人へトレード移籍も、同年オフにFAでロッテ復帰。16年引退。通算1782試合、1363安打、127本塁打、打率2割6分5厘。ゴールデングラブ賞2度。ロッテでは登録名「サブロー」。現役時代は181センチ、90キロ。右投げ右打ち。