テルよ、その心意気よ! 阪神岡田彰布監督(64)が13日、打撃フォームが激変した佐藤輝明内野手(23)の姿にえびす顔だ。高知・安芸での秋季キャンプ第3クール最終日、雨天のため室内練習場で練習を実施。レギュラー白紙を示唆した主砲への猛ゲキから一夜明け、指揮官は背番号8のフリー打撃を凝視。打撃改造への意欲をみせた主砲に笑顔が戻った。

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岡田監督は安芸ドーム内のボールケースに腰をかけ、佐藤輝のフリー打撃に熱中していた。明らかにスタンスの幅が広くなり、頭上のラインを越えていたグリップの位置は、顔の横付近まで下がった。フォームの変化に指揮官は「ちょっとなあ(笑い)。なんかえらいな、スタンス広なってきたな。これ(グリップ)もちょっと下げて」と、思わず白い歯を見せた。

指揮官は侍ジャパンから秋季キャンプに合流した前日12日に佐藤輝について「これじゃあかんと思うよ。今日の動き見とったら分からへんわ。ほんまに」と三塁固定を明言したレギュラー白紙の可能性まで示唆していた。ただ、この日の練習後には「まだ、もうちょっとやな」と話しつつ、「また外で打ち出したら変わっていると思うけどな」と打球の質向上に期待を寄せた。

佐藤輝は新フォームについて「いろいろ試してるんで」と話すにとどめた。岡田監督の猛ゲキについては「まあまあ、ゆっくりいきましょう。まだ秋なので」とおどけながらも「別にスタメンで固定してもらえるって言ってもらったことに甘えるつもりもなかった。結果を残せば出してくれる話なので」ときっぱり。首脳陣からは振り込みの重要性を伝えられ「今のままだったら同じ成績のまま終わる。向上心を持ってやっていきたい」と気合十分だ。

この日は日本ハムからトレードで加入した渡辺諒が、シートノック中にこれまでの二塁から初めて三塁で練習。指揮官は「どっちみち、ファーストもサードも(要員が)いるからな、何かあった時用のな」と説明したが、このタイミングだけにポジションが安泰ではないという無言のハッパとも取れる。

岡田監督は秋季キャンプで佐藤輝に直接的な指導は行わず、コーチに託して静観を続けている。「そんな急に、一気に良くならんからな。まあ、でも春キャンプになるまでは自分でそないして修正せなあかんからな。ある程度な、こういう打ち方でやろうというのが分かって、2月でな、どんな姿で来るかやな」と期待を膨らませた。3年目の大暴れへ、背番号8が新フォーム習得の第1歩を踏み出した【古財稜明】

▽阪神平田ヘッドコーチ(岡田監督の佐藤輝への猛ゲキについて)「愛情の裏返しよ。もっともっと存在感を示してほしいというね。彼の成長がチームの勝敗につながるという激励の言葉だよ」

▽阪神水口打撃コーチ(佐藤輝について)「秋のキャンプから春まであるので、『振れる力をこれからどんどんつけたら変わるんちゃうか』と伝えた。振り込むというのは絶対に必要。監督の指示通りに頑張ってもらいたい」

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