阪神岩崎優投手(31)が18日、10年目で初のタイトル獲得へ意欲を示した。地元静岡市内の草薙球場で自主トレを公開。長年ブルペンをけん引してきた経験豊富な左腕は、意外にも個人タイトルとは無縁。今季岡田監督は岩崎をセットアッパーで起用することをすでに明言。普段クールな男は、最優秀中継ぎ賞へ向け「取るに越したことはないです」と闘志を燃やした。

昨季はシーズン序盤から守護神を託され、28セーブ、12ホールドポイント(HP)をマーク。21年シーズンは44HPを挙げながらも、53HPのヤクルト清水に及ばなかった。昨年は岩崎を師と仰ぐ湯浅が、最優秀中継ぎ賞を獲得。「すごかったですね。負けてられません。どんどんまだ結果を示していかないといけないと」と、新守護神の右腕に刺激を受けている。

自主トレでは後輩の「手本」となるべく、ハイペース調整を続けている。例年1月は沖縄を拠点にしていたが、「静岡も暖かいし、沖縄にいかなくても十分」と場所を移し、「チーム岩崎」を初結成。この日は「2日に1回くらい」のペースで入るブルペンで、直球のみ41球の熱投。例年より投げ始めは「ちょっと早い」といい、「みんな投げていますし、自分の感覚を見てもらいたいというのもある」と理由を明かした。

6年連続で40試合以上の登板を続けている左腕は、「継続して積み重ねていくということは、大事にしていきたい」。今季は「1年離脱なくやれたら『50』とかは大体いく。そこは最低限かな」と目標を定めた。ブルペンの大黒柱が、「個人タイトル&アレ」奪取に燃えている。【古財稜明】

▼阪神岩崎が今季タイトルを獲得すれば、プロ10年目で初タイトルとなる。阪神のドラフト制後入団投手では、14年福原がプロ16年目で獲得した最優秀中継ぎが最も年数を経ての初タイトル。さらに、05年下柳が最多勝で初タイトルだったプロ15年目と続く。他球団では、ヤクルト近藤がプロ17年目の18年に最優秀中継ぎで初めてタイトルを獲得した例もある。