西武後藤高志オーナー(74)が8日、本拠地ベルーナドームで松井稼頭央監督(47)や選手たちに訓示を行った。「今年の皆さんに対する思いを申し上げます」と話し始めた。

◆松井監督へ

松井新監督にはぜひ、新監督として今まで松井監督がライオンズ、メジャー、さらには楽天でいろいろ培ってきた経験、知見というものを思う存分、自信をもって発揮してもらいたい。本当に自分の思い通りのことをしっかりと。

◆コーチ陣へ

コーチの皆さんは、私は本当にライオンズのコーチは大変強力なスタッフだと確信しております。ですから、それぞれのコーチの皆さんの職責を存分に発揮してもらって、選手を鍛えてもらいたい。特に若手を思いきり鍛えてもらいたいと。1人でも1軍の試合で活躍できる選手をしっかりと鍛えてほしい。

◆選手全体へ

選手諸君。皆さんが主役ですから、主役としての働きを思い切りグラウンドで発揮してもらいたい。

◆投手陣へ

昨年投手陣は大変良く頑張ってくれました。昨年のチーム防御率は劇的に改善した。パ・リーグナンバーワン。これは1人1人の努力の成果だと思います。今年もしっかりやっていただきたい。1つだけ注文があるんだけど、それはやはり、完投ということ。完投数についていえば昨年は2試合。ぜひ先発投手は自分の試合は完投する意気込みをもって、完投能力を高める、切磋琢磨(せっさたくま)、それだけの練習を積んで、1人1人が完投能力を高めてください。それだけのポテンシャルのある皆さんたちばかりですから。去年の実績をみれば、私は間違いなく達成できると思います。

◆野手陣へ

野手の諸君についていうと、まず1つは打率。残念ながらチーム打率はパ・リーグの中でも一番低かった。それまでの獅子おどし打線が、去年は十分に発揮できなかったことがある。従って、野手の選手の人には、まず自分の打撃をしっかり磨いてもらいたい。そして去年の成績を上回ることをぜひやってもらいたいと。第2は盗塁、走力ですね。これは松井監督が「走魂」ということで今年のキャッチフレーズに掲げました。1人1人の基礎体力、走力は私が大変なものがあると思っています。12球団ナンバーワンといっても間違いないだろうと思う。ぜひそういう皆さんの走力というものを、存分にグラウンドで発揮してもらいたい。盗塁数は今年はぜひリーグトップを目指してやってもらいたい。アグレッシブに。3点目は若手のさらなる成長を期待します。去年の若手の選手は試合に出ていました。しかしながら残念ながら、なかなかそのポジションに定着することはなかったと思います。今年は若手の皆さん1人1人が自分に厳しく練習を課して、そしてポジションを勝ち取るということでやってもらいたい。若手の成長を大きく期待します。ライオンズには中村、栗山という大変なお手本があるわけで。自分自身に厳しく切磋琢磨して、ずっと第一線で大活躍している。これは皆さんにとっては大変な宝ですから。ぜひ中村、栗山を見習って、選手生命の長い選手になってほしい。もちろん中村、栗山両選手には今年さらなる活躍を大いに期待します。以上、松井新監督、コーチの皆さん、選手諸君に対する私の期待を申し上げました。

後藤オーナーはその後、今季からベルーナドームの人工芝をリニューアルしたこと、来年にライオンズ整形外科をスタートすることなどを話し、西武グループとしての全面的なサポートを約束していた。

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