高卒3年目のオリックス来田涼斗外野手(20)が、逆転開幕スタメンを猛アピールした。

4点を追う5回先頭。フルカウントから阪神村上の143キロ内角直球を捉えた。「変化球をケアしてうまく反応できた。よかったと思います」。打球は一塁大山を強襲して右翼へ。快足で二塁を奪った。

猛打賞の前日24日に続く活躍で、オープン戦打率は3割4分6厘まで上昇。「ずっと状態がいいままこられているので、いいアピールができるのかなと思います」。中嶋監督は「今、良かった、悪かったという問題じゃない」としながらも「取り組み方が良くなってるし、アプローチの仕方が良くなってるというのはありますね」と評価した。

好調継続の陰に師匠の存在がある。レッドソックスに移籍した師匠、吉田正尚外野手(29)と1月に自主トレを実施。「よく話していたのはカウントの作り方とか、考え方。最近は自分の有利なカウントに持っていけるようになってきた」。教えは血肉となっている。WBCで世界一に輝いた後には「おめでとうございます」と祝福ライン。優勝の瞬間にベンチで転んだ場面も見逃さず「『こけていたの大丈夫ですか』って、ちゃんと送りました。『疲れていた』って返ってきました」と笑みをこぼした。

昨季外野でレギュラーだった福田は打率1割と不調。滑り込みでの定位置奪取へ。「決めるのは監督さんなので、自分はやるべきことをしっかりやって、チームに貢献できるように頑張っていきたい」。謙虚に力を込めた。【磯綾乃】

◆来田涼斗(きた・りょうと)2002年(平14)10月16日生まれ、兵庫県神戸市出身。明石商では1年夏、2年春夏に甲子園出場。2年春の智弁和歌山戦では春夏を通じ史上初めて、同じ試合で先頭打者本塁打とサヨナラ本塁打を放った。20年ドラフト3位でオリックス入団。180センチ、90キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸800万円。

○…上半身のコンディション不良で別メニュー調整を続けてきたT-岡田が、今季初実戦に臨んだ。6番指名打者で先発し4打数無安打。「(球の)速さはそこまで感じなかったが、アジャストする体がまだちょっと合っていない」。今後は投手の球を見る機会を増やし、体を戻していく。「開幕は難しいかもしれないが、1日でも早くチームの力になれるように」と早期復帰を誓った。

○…先発の山崎福は出た課題を前向きに捉えた。初回に4番大山に先制3ラン、4回にも佐藤輝に被弾するなど5回途中7安打4失点。「シンプルに打たれた球が甘かった。キャッチボールとかで修正できると思うのでしっかりやっていきます」。前回、前々回は無失点投球で、あとは微調整。先発が見込まれる開幕2戦目の4月1日西武戦(ベルーナドーム)に向けて「明るい気持ちでやっていきます」と話した。

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