楽天岸孝之投手(38)が史上51人目の通算150勝に到達した。ロッテ打線を8回6安打1失点に抑え、今季登板4試合目で初勝利(1敗)を挙げた。

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17年目で到達した150勝に、岸は足跡を重ねた。「自分がこんなに勝てるとは思ってなかった。教えてあげたいですね、昔の自分に」。巡り合わせか、生まれ育った仙台で達成した。地元のファンが喜んでくれている。「最高ですよ」。ずっと見ていたい景色が広がっていた。

丁寧に低めに集めた。雪辱のマウンドだった。「前回のやられっぷりは頭に残ってますからね」。脳裏にこびり付いているのは4月9日のZOZOマリン。7安打6失点と打ち込まれ、2回でKOされた。

やり返した。1回2死一、三塁。前回2打数2安打3打点だった安田を、143キロの直球で左飛に打ち取り流れに乗った。「投げれば打たれていた安田に、打たれなかったのが今日は大きい」。持ち前の緩急で、3打数無安打に封じた。

今季4試合目、昨年王手をかけてから数えれば5試合かかった。「みんなにプレッシャーをかけてると思って。だから今日は直接まっちゃん(松井裕)につなげようと頑張りました」。今季最長の8回を投げた。97球。最後まで投げたい気持ちもあったが、勝ったからいい。それがすべてだ。

積み上げてきた150個の白星。中でも9年前の1勝は忘れられない。「ノーヒットノーラン。5月2日で今日だったと思います。なんか覚えてますよね、だから何だって話だけど」。20代だった当時に比べれば球速は落ちた。体も変わった。それでも、あうんの呼吸とも言える“愛妻”のリードに支えられてきた。

無安打無得点の日も、100勝の日も、そしてこの夜も、マスクをかぶったのは炭谷銀仁朗だった。「200勝目指して頑張ってください」と激励された。「また銀と組んで達成できるとは思ってなかったんで、すごくうれしいです。目標は高く。元気でいられる限りは1つでも多く勝って、目標に近づけたらなと思います」。振り返れば長く歩いた。道はまだ、前に続いている。【鎌田良美】

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