右肘痛からの復活を目指すヤクルト奥川恭伸投手(22)の1軍復帰が、秒読み段階に入った。

4月の実戦復帰から6試合目となったイースタン・リーグ巨人戦に先発し、復帰後の最長、最多となる6回97球を投げ5安打5奪三振4失点だった。速球も復帰後の最速となる154キロを計測した。

1軍登板へ「早く上がりたい、行きたいという気持ちは強い。それだけは間違いない」と強烈な意思を示した。結果は4失点だが、この試合に設定したテーマについては満足のいくものだった。

「ボールは良かった。前回よりも球速は出ていて、真っすぐのキレと出力、変化球も前回よりも良かった」

4月27日の復帰2試合目で152キロを記録していたが、さらに出力を上げることを念頭に置き「(5月27日の)前回登板から体重移動の仕方や、トレーニングでも出力を出すものを増やして取り組んできた」と計画的に日々を過ごしてきた。

変化球も前回までは「緩い球などまだまだ扱いきれていなかったけど、ブレーキが効くようになった」と納得の表情を見せた。

前回は85球、今回は97球を投げ、先発として登板する手応えつかんだ。「肩肘を含め、スタミナもそんなに心配はいらないかな」。

5月には1軍復帰について「交流戦明けを目標にしたい」と話し、そのスケジュール感について順調に来ているとした。その上で「(1軍への)準備と言ったらあれですが、100球は投げられますという事実、アピールはできた。あとは首脳陣の方がどう判断するか次第だと思います」と語った。

「1軍復帰へのカウントダウンは始まっているか」との問いに小野寺力2軍投手コーチ(42)は「そういう風な目では見ていますが、判断は監督と1軍ピッチングコーチ。ボール自体は良いと思うので下で準備させて、呼ばれたらしっかりとできるようにしておきたい」と語った。

1年以上、実戦登板から離れ4月18日のイースタン・リーグロッテ戦で385日ぶりのマウンドを踏んだ。はやる気持ちを抑えながらじっくりと、着実に復帰への階段を上ってきた。「パフォーマンスとしては本当に今までで一番良かった」と奥川。時折、笑顔を見せながら野球ができる喜びを言葉にして表現した。

1軍復帰について「行きたいか。それともブレーキをかけるべきか」と問われ「早く上がりたいという気持ちは全然あります」と終始、熱い思いが前面に出ていた。【三須一紀】

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