価値ある男やで! 阪神森下翔太外野手(22)が決勝の3号2ランを放った。1-1と同点に追いつかれた6回に広島のエース大瀬良から高々と舞い上がるアーチ。1、2号ともに「肩書付きアーチ」を放ったドラ1ルーキーが、またもプラチナ級の劇弾だ。チームは広島との首位攻防戦を2勝1分けで首位を堅守。さあ、ペナントレース独走へ。真夏の長期ロードに出発だ。

打球がフェンスを越えた瞬間、森下が叫んだ。1-1の6回1死一塁。広島大瀬良の内角145キロ直球を左翼へ飛距離113メートル弾を運んだ。一塁ベースを蹴ると右手人さし指を突き上げるパフォーマンス。「初回からやられていたので、直球は1球は来ると思っていた。相手の投手をしっかり研究した中で風に乗ってくれて良かった」。初回で見逃し三振とやられた内角直球を狙いすましてガツン。タイミングを合わせた値千金の1発だ。

記念すべきプロ1号は7月9日ヤクルト戦で放った先制の決勝アーチ。2号は同12日DeNA戦でサイ・ヤング賞右腕バウアーから放った同点弾だった。そしてこの日も決勝のアーチ。すべての本塁打が7月で、さらに肩書付きだ。勝負強い価値ある1発を放つ男は「勝負どころで点を取るところに自分は重きを置いている。人より、そこに対して執着は強い気持ちが結果につながっている」と胸を張る。

幸運を呼ぶバットだ。23日ヤクルト戦の8回攻撃のベンチ。佐藤輝から「ちょっとこれでいくわ」と言われて自身と同じモデルのバットを先輩に貸すと、背番号8に大ハマり。そこから上昇気配が漂ってきた。この日も佐藤輝は6回2死で左翼フェンス直撃の三塁打を放つなど、ドラ1コンビが躍動した。

ウル虎の夏は6戦4勝1敗1分けと勝ち越しに成功した。なかでも今季広島戦、打率2割9分6厘の3番森下の活躍が光る。岡田監督も背番号1の価値ある1発に「非常に大きいホームラン。波がありますけど、ほんといいとこで打ってよく目立つ」とたたえた。

首位攻防戦第3ラウンドを白星で締め、チームは引き分けを挟んで2連勝。2カード連続で勝ち越しを決め、2位広島とは1ゲーム差とした。森下は「ビジターが多くなるので、しっかり勝てるようにしていきたい」と表情を引き締める。勝負強いルーキーが、真夏のロードでも打ちまくる。【三宅ひとみ】

▼新人の森下が勝ち越し2ラン。森下のV打点は今季4度目で、そのうち7月は9日ヤクルト戦、12日DeNA戦に次いで3度目。ドラフト制後、阪神の新人で月間3V打点は69年5、6、10月の田淵、98年8月の坪井に次いで3人目。岡田や佐藤輝は月間3度をやっていない。