頼れる男が1発で仕留めた。オリックス森友哉捕手(28)が初回、今CS初本塁打の先制2ランを放ち、これが決勝打になった。6回には先頭で左中間への二塁打。貴重な3点目のホームを踏んだ。移籍1年目からチームを3年連続の日本シリーズに導き、自身は西武時代にたどり着けなかった大舞台に初めて向かう。

森がプロ10年目のシリーズデビューだ。「これまで1度も日本シリーズに行くことができなかったので。なんとか勝てて日本シリーズに行けてよかったです」。西武時代の18、19年連覇も、CSで敗退。募らせた悔しさの分まで、大舞台への思いは熱かった。

自身のバットで、扉をこじ開けた。初回1死一塁でロッテ種市の内角高めストレートを捉え、右翼スタンドへ。ベンチ前で笑顔で迎える仲間とハイタッチし、最後は同い年の石川とハグ。「その前にフォークを見逃したので、たぶん真っすぐが来るだろうなと思って真っすぐを打ちに行きました。ホームランになってくれてよかったです!」。チームの行く手を照らす一撃になった。2-0の6回はカーブを捉え、速度を上げて二塁に到達。杉本の適時二塁打でホームを踏み、大きな追加点に絡んだ。

プレースタイルは豪快。ただ、繊細さも人一倍。「チームになじめるかどうかというのは、すごく不安はありました」。熱望したオリックス入団だが、不安も抱えていた。だが心強い仲間がいた。13年高校日本代表のチームメートの若月や山岡、同い年の石川らが「同級生会」を開いてくれた。

最初は違う話題で盛り上がっても、行き着くところは必ず野球の話。思う存分野球を語り合える仲間のいる環境こそ、森にとっての最高の場所だ。「同級生会にトン(頓宮)が入ってきたり。そこでいろいろしゃべりながら、というのは自分的にはすごく助かった」。若月らの会話から「この人はこんな人なんや」と人となりをつかんでいった。

仲間とともに、阪神との日本シリーズへ。相手の勢いを認めた上で「うちも負けないくらい勢いあると思うので、勝てるように頑張ります。1球1球全力でやりたい。勝ちにこだわってやっていけたらなと思います」。打撃も捕手も外野守備もすべて引き受け、日本シリーズ連覇を目指す。【堀まどか】

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