キーワードは「推し」! 球界屈指のスター、2軍で汗を流す期待の若手、イケメン、同郷、同い年…。応援している選手のグッズを身につけ、「推し活」として楽しむのもプロ野球の醍醐味(だいごみ)だ。楽天では1年間で約1万点の商品を展開。今年は選手をより好きになってもらうことにフォーカスし、日々、グッズ制作に励んでいるという。楽天野球団で商品企画チームのリーダーを務める野口翔雄さん(37)に話を聞いた。【取材・構成=山田愛斗】
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イーグルスを、選手を好きになってもらう入り口に-。選手グッズは定番のユニホーム、MyHEROタオルをはじめ、アクリルスタンド、キーホルダーなど豊富な種類を誇る。野口さんは「今年は推し選手を見つけてもらい、応援してもらおうというのが大きなテーマなので、選手に特化した商品を例年よりも頑張って作ってます」と説明する。
「My fave(私の推し)」を形にしたのが6月15、16日の広島戦で行われた「my favE DAY(マイフェイビーデー)」だ。アイドル風のさわやかコーデに身を包んだ、岡島豪郎外野手(34)小深田大翔内野手(28)小郷裕哉外野手(27)伊藤裕季也内野手(27)村林一輝内野手(26)安田悠馬捕手(24)内星龍投手(22)がメインビジュアルを飾った。
イベント当日は球場外に特別ブースが設けられ、7選手の新グッズを求める多くのファンでにぎわった。うちわ、ステッカーセット、缶バッジ、ポスター、オンラインショップ限定販売の直筆サイン入りフォトパネル、ほぼ等身大バスタオル…。「1つのイベントであれだけの種類のグッズを作って販売したのは初めてかもしれないですね」。前述選手以外も対象のハート形うちわや漢字アクリルキーホルダーなども店頭に並んだ。
ユニット推し需要にも応えた。昨年11月のファン感謝祭で発売された小郷と伊藤裕の「おごゆき」を皮切りに、ペアイラストグッズに注力。かわいい系、アメコミ、平成青春風、韓国風など選手イメージに合わせたイラストが描かれた商品が登場した。
5月には投手キャプテン則本昂大投手(33)と野手キャプテン浅村栄斗内野手(33)の「キャプテンズ」、村林と小深田の「むらこぶ」。6月には田中和基外野手(29)と茂木栄五郎内野手(30)の「たなもぎ」、荘司康誠投手(23)と伊藤茉央投手(23)の「しょじまお」と、今後も種類が増えていく予定だ。
ヒトコトタオルも人気アイテムだという。もともとはコロナ禍で声出し応援禁止となり、選手を鼓舞する言葉などが記されたメッセージタオルとして商品化。それが派生し「仕事より楽天」「楽天しか勝たん!」「東北の底力!」「推しが尊い。」といったヒトコトタオルに形を変え、5月には108種類を受注販売した。
ファンのリクエストやX(旧ツイッター)などSNSのつぶやきもヒントにしている。「ヒトコトタオルは100枚を超えるもの、逆に1枚しか売れないものもありますが、ファンの方と会話しながら作る感覚が僕らも面白いですし、今後もいろいろチャレンジしたいです」と力を込めた。
「球場に来て、グッズショップをのぞいていただくのも観戦体験の1つだと思います。そこで好きな選手を見つけてもらい、『あの選手こうだったね』みたいな会話が生まれれば我々としてはうれしいですね」
ファンと選手をつなぐ架け橋として、魅力あるグッズ作りに全力を注ぐ。



