逆転を呼ぶラッキーボーイだ! プロ初スタメンの阪神野口恭佑外野手(23)が初適時打を含む2打点で、4試合連続逆転の4連勝に導いた。1点を追う4回に同点打、6回には内野ゴロで3点目を運んだ。2試合連続9回2死から逆転サヨナラ勝ちした7日と9日もミラクルに貢献。チームは創成館(長崎)時代に甲子園を沸かせた新星の奮闘で2位に浮上し、首位巨人に0・5差に肉薄。明日12日にも、46日ぶりに再奪首する勢いだ。

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満員札止めの甲子園の大歓声に、野口のほおが緩んだ。痛烈な打球が右中間に弾むと、割れんばかりの大声援が祝福した。二塁走者の大山が悠々と生還し、一塁上で白い歯を光らせた。

「何とかしようという気持ちが強かったので、それがいい結果に結びついた」

「6番右翼」でプロ初スタメン。1点を追う4回2死二塁での2打席目。ヤクルト奥川の内角にきた148キロ直球を強振。試合を振り出しに戻す一打で、岡田監督の起用に即答した。

まだ終わらない。5回に相手暴投で勝ち越したあと、6回1死一、三塁では遊撃にゴロを弾ませる併殺崩れで2打点目。岡田監督も「あれ、差し込まれたらショート正面ぐらいのゴロでゲッツーなってるかもわからん。差し込まれて、あんな弾まんよ。振り切ってるから弾むと思うよ」と評価。最悪3アウトチェンジのところ、パワフル打撃が貴重な追加点を呼び込んだ。

7日DeNA戦ではプロ初安打と犠飛での初打点。9日ヤクルト戦は1点を追う9回に代打で四球出塁。球団初となる2試合連続9回2死からのサヨナラ劇に貢献し、この日も逆転勝利を呼び込んだ。まさに虎のラッキーボーイだ。

「甲子園は夢を与える場所であり、夢をかなえる場所です」

その目はキラキラと輝いていた。故郷長崎の創成館に一般入試で入学し、3年時に春夏連続甲子園に出場。春準々決勝の智弁和歌山戦では5安打3打点と大暴れした。だが延長10回、逆転サヨナラ打が無情にも自らの左翼頭上を越えていった。「最後は頭が真っ白になった。勝っていたのに一瞬で負けてしまった」。県勢9年ぶりの4強にあと1歩及ばず、悔し涙を流してら6年…。タテジマに袖を通して育成からはい上がり、ホロ苦くもあった甲子園で「夢をかなえる」大活躍。これからは「夢を与える」側になる。

チームは4試合連続逆転勝利で、4月末以来2カ月半ぶりに4連勝。貯金を4に増やして2位に浮上し、首位巨人に0・5差に迫った。11日の名古屋への移動日を経て、12日にも46日ぶりに首位を奪回できるところまできた。指揮官は「こんなんまだまだ。まだ7月ですからね」と一蹴したが、躍動する背番号97の姿は頼もしくて仕方ないようす。新星が停滞気味だった打線を活気づけ、奪首ウイークにする。【村松万里子】

◆野口恭佑(のぐち・きょうすけ)2000年(平12)7月17日、長崎県生まれ。創成館では1年秋からベンチ入り。3年春夏に甲子園出場。九産大ではリーグ戦59試合出場し打率3割1分4厘、3本塁打、38打点。4年春にベストナイン獲得。22年育成ドラフト1位で阪神入団。1年目の昨季は2軍で打率3割3厘、6本塁打、18打点をマーク。同年オフに支配下選手契約を結んだ。180センチ、86キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸420万円。

○…22年育成ドラフト1位入団の野口が、プロ初先発で4回に中前適時打。阪神の育成ドラフト入団選手の1軍戦出場は、野原祐、田上、片山、小野寺に次いで5人目だが、初スタメンの試合で打点を挙げたのは野口が初。

◆野口と甲子園 創成館(長崎)3年時の18年に春夏連続出場を果たした。春は主に5番左翼で3試合に出場し、下関国際(山口)と智弁学園(奈良)を撃破して8強進出に貢献。準々決勝で智弁和歌山戦に敗れたが、5打数5安打の固め打ちで強烈な印象を残した。計10打数7安打、打率7割の大暴れ。夏は1回戦の創志学園(岡山)戦で、現チームメートで1学年下の西純矢と対戦。2打席2三振と封じられ、チームも0-7で敗れた。

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