敵地甲子園で会心の鷹祭りだ! ソフトバンクが「SMBC日本シリーズ2025」第3戦を2-1で制して2連勝、白星を1つ先行させた。初回に1点を先行されたが4回に山川穂高内野手(33)が2戦連発の同点ソロを放ち、6回に柳町達外野手(28)が勝ち越しタイムリー。6回には今宮健太内野手(34)の美技で同点を防ぐなど、鮮やかに2戦連続の逆転勝利を決めた。29日の第4戦も勝って一気に王手をかける。
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柳町が雄たけびを上げた。普段はクールな男も、高ぶる感情を抑え切れなかった。三塁ベース上。右こぶしを何度も握る。沸き立つ自軍ベンチに目を向け、ガッツポーズもつくった。値千金の一打に、くしゃくしゃの笑顔で表情は崩れた。
「本当に(打球が)『切れるな!』と思って走っていました。勝利に導くヒットを打ててよかった」
一振りにすべてを込めた。4回に山川のソロで追いつき、1-1で迎えた6回1死二塁の第3打席。相手はセ最優秀防御率右腕の才木だった。「強い集中力を持って打席に入った」。カウント2-1からの4球目。真ん中高め147キロ直球をシャープに振り抜く。ライナー性の打球が右翼線上で弾む。ボールが転々とする間に、勢いよく二塁も蹴った。
勝ち越し決勝の適時三塁打。完全アウェーの甲子園に動じず、敵地で勝負強さを発揮した。「打った時の(ホークスファンの)歓声がとても響いていた。その声援で打てたのかな」。ヒーローインタビューで左翼の鷹党に頭を下げた。
プロ6年目。今やチームに欠かせない存在となった。転機は昨年8月8日の敵地ロッテ戦。佐々木朗希(現ドジャース)から3安打をマークし「本当の自信がついた」。剛腕からの固め打ちに、確かな手応えをつかんだ瞬間だった。
「自信」はあっても「慢心」はない。常に努力する姿勢を忘れない。「反省点をその日のうちに、っていうのはあるので」。レギュラーシーズン中から、本拠地のナイター終わりでも居残りで打ち込む。トレーニングも欠かさず、日々の修正を忘れない。
打球音、感覚で自身の調子も分かるようになった。今季は自己最多の131試合に出場し、初の規定打席にも到達し、打率2割9分2厘はリーグ2位。出塁率3割8分4厘で初タイトルの最高出塁率も獲得した。妥協なき姿を貫き、トッププレーヤーへの階段を駆け上がっている。
日本シリーズ2戦は打率1割6分7厘だったが、ここ一番で大仕事。2戦連続の逆転勝ちに貢献した。5年ぶりの日本一まで、あと2勝だ。「1打席にできることに集中できたら」。頼もしい3番が一気の王手を導く。【佐藤究】



