阪神佐藤輝明内野手(27)の4号2ランはレアな一打と言えた。田中将の高め直球。見逃せばボールという球にバットを出した。強振したようには見えなかったが球が高かった分、強烈なバックスピンがかかったのだろう。37度という高角度で飛び出した。本塁打になった打球としてはかなり高い。

打球速度は166キロ。佐藤にしては普通の数字だったが、最高到達点は39メートルまで達した。記者の手動では滞空時間は6秒4もあった。アウトなのか、本塁打になるのか判断のつかない観客席は息をのむように数秒、静まり返った。

佐藤は「いい風が吹いてくれたと思います」と謙遜した。確かにバックスクリーン上の旗を見ると、右方向への飛球を押し返すいつもの「浜風」は吹いていないようだった。ただし、海が近い甲子園上空は「層」によって風向きが変わるといわれる。旗より上の世界には違う風が吹いていたのかもしれない。

いずれにせよ、甲子園の右方向にあれほど高い弾道でスタンドインできるパワーはやはり別格。なかなかNPBでは表現する機会がない「ムーンショット」。近い未来、佐藤の代名詞になっても不思議ではない。【柏原誠】

阪神森下(巨人田中将とプロ初対戦。2打席目に左前打)「ヒットが出たので、次の対戦に生きるかなと思います」

阪神中野(5回1死満塁で1点差に詰め寄る左犠飛)「ヒットでつなげられたら勝ち越せた。ヒットで森下につなぐのが、一番良かった。あの打席は反省です」

阪神福島(代打で5回1死一塁、巨人戦では初安打となる二塁への内野安打)「とにかく必死でした。SGLで打席数を増やしてもらって、必死のヘッド(スライディング)でした。無我夢中で、生き残ることだけを考えていました」

【動画】「ムーンショット」薄暮の甲子園に打ち上げた 阪神佐藤輝明4号2ラン