海を渡る日本人アマチュア選手たちが増える中で、「ゴールドラッシュ」と化す市場をさまざまな視点で捉える連載拡大版。初回は「今」に焦点を当て、現役選手や担当スカウトたちの活躍を紹介する。【取材・構成=平山連】

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最速147キロを誇るモレチ・アレシャンドレ投手(18)は、誉(愛知)3年時の今年1月、米大リーグのフィリーズとマイナー契約を正式に結んだ。離日直前に東京・羽田空港で取材に応じ「これから30時間のフライトでキャンプ地のドミニカ(共和国)へ向かいます」と話した。当時行われていたNPBドラフト新人選手たちの合同自主トレと比べると、注目度は天と地の差だが気にならない。「1年でも早くメジャーのマウンドに立ちたい」と強い信念を言葉に込めた。

最大の魅力は類まれな身体能力だ。高校入学時は178センチ、体重74キロだったが、3年夏前には地道な食トレの甲斐もあって194センチ、101キロと大幅に成長。「野菜が全く食べられないので、代わりにサプリメントで補ってました。練習後は食事のノルマを決めて、毎日体重の最高値を更新するのが日課でした」と懐かしむ。丈夫さも大きな武器で「毎日投げないと感覚を忘れてしまう。多い日は1日200球投げたこともあります。トレーニングがめちゃくちゃ好きですから」と、疲れ知らずのパワフルボディだ。

逆境を楽しむ余裕もある。「人と同じなのが嫌なんです。NPBを経由するより、高校からアメリカへ行って段階を踏んで上がっていく方が自分自身の成長につながる。何より日本とは全然違う野球をもっと学びたいし、それが自分の強みになると思っています」。今季の目標はまず自己最速を150キロに到達させることだ。自分の可能性を広げるための努力に限界はない。