リングにかける男たち

YOSHI-HASHI視点変え学んだ客への見せ方

石井(左)にエルボーをぶち込むYOSHI-HASHI(2019年3月16日撮影)
石井(左)にエルボーをぶち込むYOSHI-HASHI(2019年3月16日撮影)

4月6日、新日本プロレス初の米ニューヨーク・マディソンスクエアガーデン大会が大成功し、1週間後の13日から茨城・つくば市で新シリーズが始まった。さまざまな新しい動きがみられる中、第6試合6人タッグ戦でのYOSHI-HASHI(36)の勝利に注目した方も多かったのではないだろうか。

昨年9月の神戸大会で、何かをしようとリングに向かって花道をダッシュし、リングの手前でまさかの転倒。そのアクシデントで左肩を負傷し、長期欠場を余儀なくされた。約3カ月半の休養を経て、今年1月5日の後楽園大会で復帰。しばらく目立った動きはなかったが、春最強戦士を決めるニュージャパン杯で自身初の8強に進出。同じユニットCHAOS石井智宏との準々決勝では敗れたものの、感情をむき出しにして激闘を繰り広げた。復帰後からどんどん高まる期待に、YOSHI-HASHIは熱いファイトで応え続けている。

そんなYOSHI-HASHIが持つ棒についての記事を先週ウェブ上に公開したところ、予想以上のアクセス数があった。少々変わった要求に真剣に応えてくれる、彼の人柄の良さがあらためて伝えられたのではと思う。その取材では、棒の他に、欠場から復帰までの期間をどう過ごしていたかについても聞いた。

実は、08年にデビューして以来大きなケガはなく、こんなに長く欠場するのは初めてだったという。「動けなくて、ほんとに戻れるのかなと思ったりもしました」。不安を抱えながらリハビリをしている中、親交のある元サッカー選手の岩本輝雄氏から「せっかくだから、いろんなものを見にいったほうがいい」とアドバイスを受けた。

まず足を運んだのは音楽のライブだった。ケツメイシ、ミスターチルドレンなど数々の人気バンドを見に行った中で、最も印象に残ったのが、サンボマスターのライブだった。ボーカルの山口が懸命に歌う姿に、心が動かされた。「お客さんに訴えかけるものがすごい。老若男女問わず、引き込む力がすごいなと思いました。自分も人に訴えかけられるような戦いができたらな、ってその時すごく感じました」。

視点も変えてみた。デビュー以来初めて、後楽園ホールの客席に座ってプロレスを観戦した。「帽子をかぶって、マスクもして、変装してばれないように行ったんです。もちろん下の券売機でチケットを買って。そういう行為も含めて、お客さんの中に座るというのが意味があると思いました」。身銭をきってプロレスを見ることで、見る側の視点、ファンの思いを想像することが出来た。

「欠場には何かの意味がある。ピンチをただ乗り切るんじゃなくて、新たに何か得たい、という思いが強かった」。その思いを貫き、試合から離れた時間は意味あるものとなった。新たな視点と熱い思いを持ったYOSHI-HASHIがどう変化していくか、今後も注目していきたい。【高場泉穂】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「リングにかける男たち」)

如意棒を手に入場するYOSHI-HASHI(2019年3月16日撮影)
如意棒を手に入場するYOSHI-HASHI(2019年3月16日撮影)

日刊スポーツのバトル担当記者のとっておきコラム。プロレス、ボクシング、総合格闘技の現場からお届けします。

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