スーパー王者内山高志(35=ワタナベ)が、日本人の世界王者で3人目となる10度目の防衛に成功した。東洋太平洋同級王者で同級7位のジョムトーン(タイ)と対戦。2回に右ストレートでダウンを奪い、1分15秒カウントストップによるTKO勝ちを収めた。内山は戦績を23勝(19KO)1分けとした。
内山のすごさはどこにあるのだろうか。初回に強打を決めた直後、無理なKO狙いには行かなかった。「まだパンチがあるなというのが分かった」と瞬時に判断し、深追いを避けた。
日本人のV10達成者は具志堅、長谷川に続き3人目。3者の王座奪取からV10戦までの11試合を比較すると、内山の9KOは最多。だが奪ったダウン数は最も少ない「7」。その数こそが、この日見せた冷静な戦い方を意味している。
具志堅の特徴は、回転の速い「連打」。手数で圧倒し、チャンスと見るや一気にたたみ掛ける。王座奪取からV10までに、1試合で4度ダウンを奪ったのが2回、3度も1回ある。一方、長谷川の最大の武器は「カウンター」。好戦的な相手からは1試合に4度のダウンを奪うなど量産するが、一方で3人の中では判定勝ちが4試合と最も多い。
そして内山。特徴は「理詰め」とも言える戦い方だ。「KOは狙っていない」と言うように、相手の弱点を見つけ、勝利への最短距離を探る。V3戦の三浦戦、V9戦ペレス戦では有効と判断した左ジャブを徹底的に突き、ダウンは奪えずも、ともに棄権によるTKO勝ちにつなげた。
試合を観戦した具志堅氏が「右ストレートの破壊力がすごい」と話したように、圧倒的なパンチ力がありながらも、リスクは冒さない。「勝ち」に直結するスタイルこそが、内山の長期防衛の秘訣(ひけつ)と言えそうだ。【奥山将志】

