王者田口良一(28=ワタナベ)がKO初防衛に成功した。2階級制覇を狙った同級14位クワンタイ・シスモーゼン(30=タイ)を圧倒。2回に右ストレートで最初のダウンを奪う。その後も的確にパンチを当て、5、6、7回に続き、8回に連打で5度目のダウン。レフェリーストップで8回36秒TKO勝ちを収めた。田口の戦績は22勝(9KO)2敗1分け。
田口が目標のKOで初防衛を果たした。7回に4度目のダウンを奪い、セコンドから「8回は最初から行け!」の指示が飛ぶ。田口も「お客さんの倒せオーラを感じた」と連打を見舞って5度目のダウン。相手は立ち上がったがレフェリーがカウント途中でストップ。2階級制覇狙いのベテランをついに仕留めた。
3年、6試合ぶりのKO勝ち。「KOできたのがよかった。意識しないと言っていたが、内心狙っていたから」と笑みを見せた。石原トレーナーは「試合前のミットは重く、足も動いてなかった」、渡辺会長も「調子は前回より悪かった」と言う。陣営の心配もKO勝ちで吹き飛ばした。
リング上では「メチャクチャうれしい」と言いつつ首をかしげた。王座獲得は2度ダウン奪うも判定に悔しさが募った。今回も「まとめていればもっと早く倒せた。足が止まって無駄にパンチをもらった」と反省が多かった。
それでも随所に進化を発揮した。2回に右ストレートで最初のダウンを奪った。「スコーンと抜けた」と手応え十分。スイッチしての右ジャブも効果的で、1ポイントも許さず。田口も「幅が広がった」とうなずいた。
石原トレーナーからは毎試合マル秘メモが渡される。A4用紙に20項目以上。11年の日本王座挑戦権をかけた最強後楽園トーナメント優勝を果たして以来続けている。「打ち終わりを狙え」もその1つ。田口は頭にたたき込んで2回のダウンに実らせた。
V2戦は秋に予定するが、元世界王者の八重樫、宮崎らの陣営が田口に挑戦を狙っている。本人は暫定王者の1位ペタコリン(フィリピン)と王座統一を一番に望む。「今日の出来では厳しいが、倒せればまた成長できる。誰でもファンが望むカードを」。さらなる進化で防衛ロードを期した。【河合香】
◆田口良一(たぐち・りょういち)1986年(昭61)12月1日、東京都大田区生まれ。中3時に親にもらった地域振興券でゲームソフト「はじめの一歩」を購入。ボクシングに興味を持ち、大田区連盟教室に通い始めた。高1で横浜光ジム入門も夏に足が遠のく。芝商を出て、05年に車窓から見たワタナベジム入門。アマ2勝(2KO)。06年プロデビューで1回KO勝ち。07年ライトフライ級全日本新人王。13年4月に2度目の挑戦で日本同級王座、昨年12月にWBA世界同級王座獲得。167センチの右ボクサーファイター。

