世界初挑戦のIBF世界スーパーバンタム級1位和気慎吾(29=古口)が、王座奪取に失敗した。同級2位ジョナタン・グスマン(27=ドミニカ共和国)から5回までに4度のダウンを奪われる苦しい展開。中盤以降は気力で応戦する見せ場も作ったが、11回2分16秒に力尽き、TKO負けとなった。
和気が待ちこがれた舞台は、涙で終わった。2回に2度ダウンを奪われ、5回にはKO率100%のグスマンの右で腰から崩れ落ちた。初回にバッティングで右ほおを負傷し、5回終了のゴング後に左フックをもらう不運もあった。だが、最後まで心は折れなかった。何度倒されても立ち上がり、逆転を信じて拳を打ち込み続けた。
夢の終わりは11回だった。終盤の強打でロープ際に後退させられると、レフェリーが間に入りストップを宣告。リングにうずくまり、血まみれのほおに涙が伝った。ふらふらになりながら控室に戻ると、病院へ直行するよう促した陣営を制し、取材に応じた。
右目は、腫れ上がったほおで完全に視界がふさがり「見て下さいこのぶざまな顔を。これが結果です」。不運を指摘する声にも、首を振り「相手が俺よりすべて上回っていた。それだけです」と潔く完敗を認めた。二人三脚で戦ってきた古口会長の姿を確認すると、目には再び涙があふれた。
「けんかに強くなりたい」とボクシングを始めた元不良少年。大一番で結果は出せなかったが、持てるすべてをぶつけた。「リーゼントボクサー」の戦いが終わった。【奥山将志】
◆和気慎吾(わけ・しんご)1987年(昭62)7月21日、岡山市生まれ。12歳でボクシングを始め、岡山商大付高でインターハイ出場。06年10月に古口ジムからプロデビュー。13年3月に東洋太平洋スーパーバンタム級王座獲得。173センチの左ボクサーファイター。家族は両親と兄2人。

