ボクシングのIBF世界スーパーバンタム級王者岩佐亮佑(28=セレス)が、元WBC世界バンタム級王者山中慎介(35=帝拳)の敗戦に怒りが収まっていなかった。

 初防衛から一夜明けた2日、千葉・柏のジムで会見。自らの試合映像は見ていないが、山中の試合は見たという。「体重の影響は分からないが、2回では立て直すのは難しかった。いろんな事情で試合をやったのは事実だが、負けた以前に試合は成立していない。納得できない。ふに落ちない。悔しいし、いまだに怒りは収まらない」と話した。

 体重超過で王座剥奪にも勝利した前王者ルイス・ネリ(23=メキシコ)は、今後同じ階級に上げてくる可能性もある。「チャンスは与えない。かかわりたくない。ボクサーとして認めない。去るべき」と切って捨てた。

 山中とは7年前に日本バンタム級王座を争い、今回が初の共演だった。「戦う以前に立ち居振る舞い、人間性を見習いたい。いろいろ巡り合わせもあるが、つなげるようなああいうボクサー、男になりたい。山中さんの分も頑張りたい」と話した。

 小林昭司会長(45)も「ネリは減量がきついのでなく、なまけてだらしないだけ。ムカつく。リングで喜ぶ姿は許せない。モラルがない。コミッションやWBCが何らかの動きをしないと。ボクシング界の危機を感じる」とこちらも怒りが続いていた。山中には「テレビ解説もして、この4日間は一緒で、ああいう結果は1人のファンとしても残念。試合後も取材に答えていたがプロフェッショナル。あらためてすごい人だと感じた」と評した。