国公立大理系大学院ボクサーが母校で散った。WBOアジアパシフィックフライ級王座決定戦が26日、大阪市大第2体育館で行われ、同級2位の坂本真宏(28=六島)が同級3位の阪下優友(28=角海老)に6回1分6秒TKO負けした。

5回終了間際、左目上をカット。「血が目に入って下がってしまった」。勢いづいた阪下の猛ラッシュを止めることはできなかった。母校での応援に応えられず「やってしまった。残念な気持ち」と悔しさをあらわにした。

坂本は大阪市大大学院工学研究科機械物理学専攻の異色ボクサー。昨年IBF世界同級タイトルに挑戦したが失敗。一度は引退を考えたが、母校再起戦プランに復活を誓っていた。

試合は所属していた大学ボクシング部OBが全面サポートした。3月に部員減少で廃部になったが、「努力家」の坂本のためにOBが集結。試合当日までに大学とジム、OB間の調整を行った。前日は10人が集まり午後5時から8時まで会場設営、試合当日も朝7時半から17人がリング設営に参加、受付も手伝った。TKO負けという結果にOB会長の下中奨三さんは、「(今は)お疲れさまという気持ち」と労をねぎらった。