ボクシングIBF世界スーパーライト級14位平岡アンディ(23=大橋)が、米プロモート大手トップランク社と契約を結んだことが26日、発表された。WBA世界ミドル級王者村田諒太(帝拳)、2団体統一バンタム級王者井上尚弥(大橋)、前WBO世界スーパーフェザー級王者伊藤雅雪(横浜光)らに続く日本人選手の契約となるが、日本王座獲得などの主要実績がない段階で同社と契約するのは異例。平岡は「まさかこんなに早く素晴らしいプロモート会社と契約できると思わなかった。ここからもっと気を引き締めていきたい」と意気込みを示した。

早速、30日(日本時間12月1日)には米ラスベガスのコスモポリタンで米デビュー戦に臨む。ロヘリオ・カサレス(29=米国)とのスーパーライト級8回戦を控え、24日に父のジャスティス・トレーナーとともに渡米した平岡は「大橋会長から米デビューがラスベガスと聞いた時、叫びたいぐらいうれしかったです」と振り返る。15年から1年半、米国に武者修行していた際、ロサンゼルスやラスベガスなどでスパーリングした経験がある。「気持ちは久しぶりに故郷に戻るようなそんな気分です」。

ガーナ人の父、日本人の母を持つ。所属ジムの大橋秀行会長(54)は「既に米国ではアンディがバスケットボール八村塁選手、女子テニス大坂なおみ選手のような『ユニコーン』だと報道されている」と解説。ユニコーンとは神話的な幻獣になぞらえ、成功したアスリートの希少性を表現するものだ。平岡は「ボクシング界のユニコーンと言われるように持っているものを全部出したい」と強い決意を口にした。

14年までTBS系で放送されたバラエティー番組「さんまのスーパーからくりテレビ」にはボクシング少年・アンディ君として出演し、注目を集めた時期もある。大橋会長は「当時は気弱な少年の設定でしたが、今は強気なボクサーになりました。日本人にないタイミング、バネの効いたパンチングがある」と大きな期待を寄せていた。

◆平岡(ひらおか)アンディ 1996年(平8)8月8日、横浜市生まれ。元アマボクサーでガーナ人の父ジャスティス氏の勧めで4歳からボクシングを開始。中学から陸上中距離で活躍し、横浜高時代には国体出場の経験もある。高校時代の13年2月に花形ジムからプロデビューし、4回TKO勝ち。14年には東日本ライト級新人王を獲得。15年からは米国で修行した後、17年から大橋ジムに移籍し、同年11月には初代日本ユース・スーパーライト級王者に。身長180センチの左ボクサーファイター。