昨年12月に休会した協栄ボクシングジムが、協栄新宿と名称を変えた新ジムで存続する。東日本ボクシング協会に新規加盟申請したことが12日までに分かった。元日本スーパーバンタム級暫定王者の瀬藤幹人トレーナー(40)が会長となり、新宿にあるジムはそのままでスタッフ、選手も大半が移籍し、これまで通りに運営、活動する。13日の東日本理事会で承認される。

協栄ジムは金平桂一郎前会長がオーナーとのトラブルから、突然休会届を提出した。全日本新人王など試合が決まっていた選手たちが宙に浮く、異例の事態となった。東日本協会花形会長が手を差し伸べ、花形ジムへ暫定移籍させることで試合にはこぎ着けた。ただし、国内最多13人の世界王者を育成した名門ジム閉鎖はやむなしと思われていた。

オーナー側は当初から閉鎖を否定し、通常通りに運営しながら、ジム存続の道を探っていた。そこで瀬藤トレーナーが会長となることを決断し、協栄の看板を引き継ぐことになった。

瀬藤トレーナーは日体大時代の00年にプロデビューし、17年に引退するまで協栄ジム一筋。18年間で51戦をこなし、現役時から長年トレーナーも務めてきた。休会時には「一緒にボクシングをやっている会員さんのため、そして一番は、今頑張っている選手のために協栄ジムを建て直したいですね」(原文まま)とブログにつづっていた。

協栄ジムは59年に金平ジムとして、前会長の父正紀氏が開いた。海老原に始まり、具志堅、勇利、鬼塚ら数多くの人気王者を育ててきた。その協栄の黄金の歴史が途絶えることなく、今後も引き継がれていくことになった。