ボクシング前日本ヘビー級王者藤本京太郎(34=角海老宝石)がボクサーを引退し、K-1などの総合格闘技に復帰する。11月12日付でライセンスを返上したと、日本ボクシングコミッションが12日に発表した。将来のボクサー復帰の可能性は残している。

藤本は「新型コロナウイルス感染症の昨今の情勢により、海外遠征や外国人選手招へいは現実難しく、国内における試合ではヘビー級選手も不足し、試合が成立しない状況。また、日本プロボクシング業界での現行ルールでは二刀流で競技を続けることが不可能な状況。これらを鑑み、1度ライセンス返上とし、再び総合格闘技(K-1など)へ挑戦することとなった」とコメントした。

「後に国内外問わずプロボクシング業界で試合となった際には、改めてライセンスを取得し、プロボクサー復帰とする」とし、今後に情勢が改善された場合はボクサーに復帰するとした。国内ルールでは現在、他のプロスポーツに関与もしくは従事を禁止している。「今回の決断・行動によりルール改定がなされ、選手不足で試合開催に影響が出ている階級(軽量級・中重量級)およびプロボクシング業界のさらなる活性化につながれば幸いです」ともコメントした。業界では昨年から藤本の考え同様に二刀流に門戸を開く方向性を示したが、進展はしていない。

藤本は09年にK-1で日本人初となる重量級の世界王者となった。11年にボクシングに転向してプロデビュー。13年に復活した日本ヘビー級王座の2代目王者となった。17年には東洋太平洋、WBOアジア太平洋王座も獲得した。通算21勝(13KO)2敗。