故アントニオ猪木氏の肖像権を管理する猪木元気工場(IGF)が、猪木氏の誕生日でもある2月20日に都内で会見し、AI版猪木氏を開発するプロジェクト『~猪木の夢の続き~「猪木ロイド(仮)」』をスタートさせると発表した。

IGFによると、もともとは猪木氏の未完の詩集を完成させたいというところから話が始まったプロジェクトだという。同詩集は、猪木氏が「馬鹿の一人旅」のタイトルを決めたものの未完となっており、遺族や関係者には心残りとなっていた。そんな時に複数の大学教育機関からヒューマンAIについてオファーを受け、「ヒューマンAI学術研究」の一環として、猪木ロイドをつくりあげ、AIによって詩集「馬鹿の一人旅」を完成させることになった。

IGFは来年4月に開幕する大阪万博までには詩集を発表したい意向。現在、大阪万博でも猪木ロイドが何らかの形で登場できるように関係各所と調整中だという。生前の猪木氏の資料は膨大な量があり、新日本プロレスの協力も得て、AIに学習させていく。

会見に出席した猪木氏の実弟、猪木啓介氏は「兄貴は非常に新しいものが好きで。何か新しいものを買うと、俺に見せびらかすんですね。このAIで兄貴をつくるというのも、本人としてはすごく喜んでるだろうと思います」と笑顔を見せた。

現在、IGFは全日本プロレスに参戦中の3冠ヘビー級王者・中嶋勝彦に対して「闘魂スタイル」という言葉について、肖像権の侵害ということで警告を発している。

ただ猪木ロイドが完成したあかつきには、AIが中嶋に対して「闘魂スタイル」の使用を許可する可能性も否定はできない。この件についてIGF関係者は「何ともお答えしようがない。その場面になってみて、AI猪木がどう答えるかは、分からない」と答えるに留めた。