日本プロレスリング連盟(UJPW)発足を記念し、能登半島復興支援チャリティーとして通算4度目となる「ALL TOGETHER」が日本武道館で開催された。“経営陣トリオ”棚橋弘至(新日本プロレス社長)&高木三四郎(ノア&DDTの経営母体サイバーファイト社長)&丸藤正道(サイバーファイト副社長)が、ハウス・オブ・トーチャー(HOT)のEVIL&成田蓮&高橋裕二郎に惨敗。まさかの展開で新日本プロレスは“自称社長”のEVILに乗っ取られてしまうのか!?

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予想通り、試合に出場した3人以外にも続々と仲間をリングに呼び寄せたHOTが、最大のターゲット、新日本プロレス棚橋社長を血祭りに上げた。棚橋から3カウントを奪ったEVILはバックステージで「棚橋、丸藤、高木三四郎、お前らはよ、やっぱりプロレス界の3大恥さらしだってことをよ、今日、証明してやったまでだよ。棚橋よ、お前が偽物だってことはよ、全員分かったんじゃないか」と不敵な表情で言い放った。

試合開始のゴングがなる前からHOTが攻撃を仕掛けた。場外でもみ合っている間に、高木が愛用のデコチャリ「ドラマチックドリーム号」で突っ込み、双方の選手たちを蹴散らしたところで試合スタート。最初はEVILに“リアル社長”棚橋がドラゴンスクリューを見舞うなど、お仕置きする場面もあったが、HOTはまずディック東郷が乱入して棚橋にパイプカット(セカンドロープから急所へ手刀を振りかざす反則攻撃)をお見舞い。丸藤、高木がリングインして棚橋を救出したが、HOTはさらに金丸義信、SHOも合流。棚橋を前後からプッシュアップバーを持った成田とトーチャーツールを構えたSHOが挟み撃ち。そして最後はEVILが、自らの名前を関したEVIL(変形大外刈り)で棚橋を仕留めた。

試合後、怒り心頭の経営陣トリオは「またやりましょう。このままじゃ終われないですよ」と声をそろえた。丸藤は「金丸あの野郎! 金丸だけは許さん」と金丸の名前を最後まで連呼。棚橋も「俺もEVILだけは許さない」。次回「日本プロレスリング連盟・団体設立第2弾大会」は6月15日に札幌で行われる予定となっているが、リベンジマッチが組まれそうな雰囲気となった。

棚橋は経営者目線で「社長トリオでオープニングマッチを飾れなかったのは悔しいけども、今回ALL TOGETHERを開催できたことはとてもうれしいことだから」と話して怒りをのみ込んだが、今度は選手としてHOTにやり返す。【千葉修宏】

◆ALL TOGETHER プロレスのチャリティー興行で、第1回日本武道館大会(2011年)、第2回仙台大会(2012年)は東日本大震災のチャリティーとして行われた。第1回のメインは「潮崎豪&諏訪魔&○棚橋弘至 22分50秒ハイフライフロー→片エビ固め 中邑真輔&×KENSO&杉浦貴」。第2回はダブルメインイベントで「小橋建太&○武藤敬司 20分20秒ムーンサルトプレス→体固め 大森隆男&×秋山準」「○森嶋猛&諏訪魔&棚橋弘至 23分13秒バックドロップ→片エビ固め ×潮崎豪&真田聖也(現SANADA)&内藤哲也」。第3回「ALL TOGETHER AGAIN」は昨年6月に両国国技館で開催され、サブタイトルに前年に亡くなったアントニオ猪木氏の「元気があれば何でもできる!」がつけられた。メインは「拳王&青柳優馬&○オカダ・カズチカ 23分22秒レインメーカー→片エビ固め 清宮海斗&宮原健斗&×棚橋弘至」。第4回の今大会は日本プロレスリング連盟発足による記念大会として開催され、能登半島復興支援チャリティーを目的としている。新日本、全日本、ノアら連盟に参加する9団体のうち、6団体が選手を参加させた。