プロボクシングWBA世界スーパーバンタム級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(30=ウズベキスタン)が1日、横浜市内のジムで練習を公開した。
14日に名古屋のIGアリーナで4団体統一同級王者井上尚弥(32=大橋)と対戦する。公開されたトレーニングで、シャドーボクシングに加え、ジョエル・ディアス・トレーナーの持つミットに力強い右フックを打ち込んでみせた。
約3週間前という異例の速さで来日し、1週間が経過。アフマダリエフは「時差調整が早め来日の目的だったが、それは順調だ。もう解消できた。私は日本が好き、人々も好きと申し上げたい。試合が終わったら山や自然を見てみたいなと思っている」とリラックスした表情を浮かべた。
井上との対戦を見据え、5月に前哨戦を終えた後、3週間ほど母国に滞在。すぐにウズベキスタンを離れ、アントニオ・ディアス・トレーナーのもと、米カリフォルニア州インディオを拠点に練習してきた。同州パームスプリングズで合宿も積んだ。米国での調整は6・5週間。総スパーリング数は100ラウンドを超えたという。アフマダリエフは「井上選手に勝つために来た。歴史をつくるために日本に来たんだ」と自身に言い聞かせるように口にした。
井上攻略のプランについては明かさなかった。アフマダリエフは「プランはある。自分のチームの方で何をやるべきか、何をやらないべきか、実はある。しかし、これは言わないでおく。実際に当日、目で見てもらいたいと思う」と自信に満ちた笑み。井上よりも上回っている点を問われると「これは自分の特長でもあるが、ボクシングにはパンチ力、テクニック、持久力、考える力などがあるが、私はそれを総合的に持っていると思っている。全部パッケージとして持っているところが優れている」と何度もうなずいた。
一時はWBAスーパー、IBF世界同級王座を統一しながら、23年4月にマーロン・タパレス(32=フィリピン)に判定負けを喫して王座陥落。その後、WBA世界同級暫定王座を獲得して王座に返り咲き、井上との対戦を待った。WBAから井上との対戦指令を受けたタイミングもあっただけに、アフマダリエフは「逃げていた、避けていた。それは事実だ。彼本人なのか、彼の陣営の考え方なのかは分からないが、2年間、対戦が延び延びになっていた。私との対決を避けていたと思う。今は、ようやく対戦が実現できて、うれしいと思っている」と余裕の表情を浮かべた。
井上が「キャリア最大の強敵」と言うように、アフマダリエフも過去最強の対戦相手として井上との対戦を見据える。来日後はキッチン付きのホテルに宿泊。時に自炊するなど体重調整にも細心の注意を払っているという。
「この試合に150%懸けている。100%ではなく、150%ぐらい懸ける、それほど私のキャリアにとってビッグな試合。私は井上選手を人柄、戦績も含め、選手として尊敬している。この2選手が真剣に戦った時、相当に見応えある、美しい、クオリティーの高い試合になるだろう」
五輪銅メダルのテクニックに加え、パワフルで骨太な肉体とパンチ力、持久力が最大の武器となる暫定王者は万全の準備を整えている。

