1場所で返り咲いてみせる。かど番で迎えた大相撲秋場所で左膝半月板損傷のため6日目から休場(1勝5敗9休)し、九州場所(11月12日初日、福岡国際センター)で大関から陥落する照ノ富士(25=伊勢ケ浜)が19日、奈良・香芝市で行われた秋巡業に合流した。

 ケガの直後は左膝を完全に伸ばすことが出来ず「トイレにも行けなかった」と悪夢を振り返った。その後は治療とリハビリを続けながら、筋トレなども並行。「トレーニングはガンガンやっていた」という。朝稽古では土俵下や花道で、付け人相手にゴムチューブを使ったトレーニングや立ち合いの当たりで汗をかいた。割(取組)にも入り、関脇御嶽海(出羽海)に二本差され土俵際に詰め寄られたが、最後は両上手で持ち上げて、うっちゃりで“復帰白星”を挙げた。

 在位14場所の大関から陥落して迎える九州場所だが「ケガが治ればいつでも戻れる。新しい、違う部分をケガしてしまったことを考えるとやっぱり“う~ん”というのはあるけど、番付が落ちることは何とも思っていない」と、九州場所で10勝を挙げての大関返り咲きに自信を示した。

 相撲を取る稽古も、20日の大阪・枚方巡業から開始する予定。膝の痛みについては「無いといったらうそになる。休んでも治らないし、付き合っていくしかない」と話した。