3人が6戦全勝で並んで迎えた序二段は、東81枚目の羅王(らおう、25=立浪)が、初の各段優勝を決めた。

 まず全勝対決で羅王は、東46枚目の川本(23=春日野)を激しい突き押しの応酬から、最後は相手が引くところに乗じて押し出し。7戦全勝とした。その20番後に登場した6勝0敗の佐田ノ輝(22=境川)が、三段目で6戦全勝の佐々木山(27=木瀬)に敗れたため、羅王の優勝が決まった。

 しこ名は羅王希望(らおう・のぞむ)。「羅王」は本名(伊藤羅王)から、「希望」は出身校で相撲の強豪、希望が丘高から名付けられた。「羅王」は父が命名。漫画「北斗の拳」に登場する3兄弟の長兄「ラオウ」にあやかったもの。「下がらない男になるようにと聞いてます。1歩も引かないという」。その通り、今場所は「前に出られた。後ろに下がらなかったのが良かった」と喜んだ。

 今年2月下旬に、以前から痛めていた右ヒジを手術。リハビリ開始は500ミリリットルのペットボトルを持っての、ヒジの曲げ伸ばしからという根気のいるリハビリ、トレーニングを経て、春と夏の2場所連続全休明けからの復帰場所で優勝。幕下は過去、7場所経験しており「早く幕下に戻りたい」と、次なる目標を見据えた。