9度目のかど番の貴景勝(27=常盤山)が、在位30場所目で大関から陥落することが決まった。

優勝争いの先頭を走る、横綱照ノ富士にはたき込まれて5勝8敗。2日目から休場した5月の夏場所に続き、2場所連続負け越しで次の秋場所(9月8日初日、東京・両国国技館)は関脇となる。取組後は「弱い者は落ちるべき」と話し、今後については明言を避けた。照ノ富士は12勝1敗とし、10度目の優勝に王手をかけた。

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前のめりに勢いよく倒れ込んだ。最強の相手に挑んで敗れ、大関陥落が決定。四つんばいの体勢から唇をかみながら、貴景勝は10秒ほどかけてゆっくりと立ち上がった。つかまえたい照ノ富士をいなし、攻勢に転じかけた。だが慢性的な首痛で稽古十分とはいえず、慌てさせるまでには至らずに最後ははたき込まれた。

取組後は終始淡々とした口調で、質問が途切れるまで取材に応じた。「負けは負け。自分にダメなところがあるから負ける。そこはしっかり理由がある」と、これまでと同様に一切の言い訳をしなかった。それどころか「強いやつは大関にいる、もしくは上(横綱)に行く。弱い者は落ちるべきだと思う」と、勝てない自分を責めた。30場所も大関を務めてきたからこそ、大関の実力に見合わない歯がゆさをにじませていた。

計9度のかど番のうち、大関昇進直後に全休した最初のかど番で、1度は関脇に陥落した。ただ、当時は勢いがあり、10勝以上で特例の大関復帰に懸け、狙い通りに返り咲いた。その再現を期待するファンも多いが「あの時とは年齢も重ねて『落ちた』というのは一緒ですが、中身はまるっきり違う」と自己分析した。

特例で大関に復帰した5年前との最大の違いは、現在は慢性的に首の痛みを抱えていることだ。これが先場所までの今年3場所で、皆勤できていない理由。それでも「みんなどこかしら痛い。自分だけケガしているわけじゃない。けがを含めて、その中の勝負。首は何の理由にもならない。自分の力が通用しなかった」と力説した。今後については「まだ場所中なので。先のことは場所が終わってから」と、14日目以降の出場を含めて言及しなかった。突き、押し1本で5年以上守ってきた大関から、ついに陥落した。【高田文太】